笑門来福
Vol.3 「人間関係がラクになる3つのステップ」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
日本全国各地で梅雨入りを迎えていますね。繰り返しになりますが、私たちは天候をコントロールできません。できるのは私たちが天候に合わせること。天候に意味づけをして一喜一憂している人は、別の問題を天候にすり替えているだけかもしれません。天気と同じで、私たちの心も常に「晴れ」ではありません。つらいときは無理して笑顔を作らないで、「雨」のごとく気のすむまで泣いてみましょう!
さて前回のコラムのテーマは、『幸せのカギを握る3つの環境』。「現代の文明に流されると『興奮』と『脅威』を求めるようになり、過度なストレス状態になりやすい。だから『満足』や『安心』を覚えやすくするために、生活環境・腸内環境・人間関係を整えて、心が穏やかになる時間を増やしていきましょう」と。「スマホの付き合い方を変えたら、仕事の効率と毎日の充実度が上がりました」、「未経験のことに取り組んだら、穏やかな満足感を得られました」などのご報告をいただきました。
また、「ココに来てから人間関係が確実によくなっています」という数名の方が。さらに、「こちらに通うと、なんで人間関係がラクになるのですか?」といったご質問も。明確な答えはありませんが、私なりの意見をお伝えしました。今回はその内容をシェアさせていただきます。
著名な精神科医アドラーが「すべての悩みは対人関係の悩みだ」というほど、私たちは人間関係の課題に積極的に取り組むことで成長できるといわれています。私自身、人間関係が特別よいとは思っていませんが、もしかすると課題にある程度取り組んだおかげで、人間関係の悩みを平均より解決しているのかもしれません。私の経験を簡単にまとめると、人間関係の課題に取り組むには3つのステップがあると考えています。
最初のステップは、自分との関係を良好にすること。当り前ですが、自分と一番長い時間を共に過ごしているのは、自分です。自分との関係が良好でない人に、他人との良好な関係は築きにくいものです。ただ自分との関係が悪くても、人間関係が良好にみえる場合もあるでしょう。だとしても、「いい人に思われたい」と我が強くなって我慢して人に合わせたり、「人の為」と自分にウソをついて偽善的になったりしているケースが多いです。
私が自分との関係で大切にしているは、自分にとって大切な人や重要な人と同じように自分と付き合うこと。自分を大切しない人は、他人も大切にできませんし、他人からも大切にされにくいです。
さらに自分を大切にしたうえで、自分ができることと、できないことを区別すること。その中で、「自分が確実にコントロールできることは、自分の行動だけ」と考えるようにしています。自分がその時々に感じる感情や、勝手に浮かんでくる思考は、天気同様コントロールできません。
以前もお伝えしましたが、自分が好んでいない感情、例えば「妬み」を感じても、そのままにしておく。心のスペースに余裕をもって、居場所をつくっておくことが大切。そうすれば、やがて消えていきます。反対に自分が好んでいる感情をずっと継続させようとしても、コントロール不可能。やがて消え失せてしまいます。不可能なのに「高揚感」を維持しようとして、お酒やスマホに依存して苦しむ人もいますね。
まずは自分の好みに関係なく、いま自分が感じていることや考えていることに気づいてあげる。そして拒絶したり排除しようとしたりしないで、「自分にそんなところもあるんだなぁ~」と勇気を持って認めて、「そんな自分があってもいいよ」と許可するという「自己受容」のプロセスが大切です。自分がコントロールできないことをいかに受け入れるかがカギ。この受容できる範囲を広げていくことで、自分との関係がよくなります。
2つ目のステップは、他人との関係での自分の価値観を決めること。例えば、パートナーとの関係で「お互いに対等で、尊重・信頼し合い、苦楽を共にし、支え合って協力することで、成長し合える関係でいる」という価値をもっていたとします。さらに可能であれば、パートナーに「自分はこうありたい」と伝え、お互いが受け入れられる価値観に磨き上げていくとより効果的。お互いの価値を確認し合うことで、パートナーや家族との生活が豊かになる方法を考えることができます。
価値観が決まったら、この価値をベースにして、自分が確実にコントロールできる自分の行動に集中します。先ほどの例であれば、価値観に合ったパートナーに自分がなるためにエネルギーを使うのです。注意点はルールや義務にしないこと。「2人の関係は○○であるべきだ」と。ルールに従うと柔軟性を失って、対立の火種になりかねません。反対に価値に従って行動することで、大きな柔軟性を得ることができます。
価値に沿って行動することは自分に忠実であることなので、満足感や自分への信頼感が高まっていきます。ただし人生は、喜びや満足だけではありません。価値に基づいた人生でも、痛みや不快感などを避けることはできず、ついて回るものです。
また多くの人との違いを受け入れられない人は、ステップ1の自分と良好な関係が築けていない可能性が高いです。しかし、お互いの価値観がほとんど交わらない人とは、無理に合わせないで距離をとった方がいいです。価値に沿わない行動を続けると、自信を失っていきます。
最後のステップは、決めた価値観への有効性があるかどうかで行動を決めること。私たちは無意識に「相手が悪い」という自分勝手なストーリーをつくってしまいがち。自分の世界では「自分が正しい」と思う傾向があるので、「行動を変えなければいけないのは相手だ」と考えてしまいます。実際に相手の言っていることが間違いで、自分の言っていることが真実に近いケースもあると思います。しかし、「相手が間違っていて自分が正しい」という主張を通すことは、決めた価値観にとって有効ではないことがほとんど。
また、自分の行動だけコントロールできるのに、人間には他人の行動をコントロールしたいという欲があります。これは、私たちが幼児期に身につけたもの。できることが少ない幼児期には、泣いたりカンシャクを起こしたりして親を操作しようとします。
大人になっても、「自分だけ特別扱いして」とか「周りが察して自分の手助けをして」といった幼児的な万能感が抜けず、他人を支配しようとする人がいますね。ただそうでなくても、私たちは幼児期には許された相手の行動をコントロールするという不可能なことに、労力を使うことがあります。だからこそ、他人の操作をあきらめることを学ぶのが重要です。
そのうえで大切なことは、自分と相手との関係にとって何が役立つかどうか。つまり真実かどうかよりも、自分の価値観にとって有効になる行動・言動を自分がすることが大事なのです。また自分との関係同様、目の前にいる人を重要な人と思って付き合うと関係が良好になります。そう思って付き合えれば、少々のことは許しやすくなりますね。相手の違いに対しても、自然に受容できる範囲が広がっていきます。
バランス力学整体院の「痛み改善プログラム」は、人間関係の課題への取り組みの要素が入っています。当整体院に通うことで人間関係が良くなる一番の理由は、ステップ1の自分と関係がよくなることかなと。プログラムを通して、しっかり自己と向き合った経験が、素晴らしいことに日常でも活かされているからだと思います。
そしてバランス力学整体院では、ステップ3に気を配っています。当整体院では科学的根拠を基にプログラムを作成し提供しています。しかしエビデンスレベルが高い情報を押しつけても、皆さまの生活の質の向上にならないことは多々あります。だから、お互いの価値観にいかに有効かどうかを判断して、お伝えするようにしています。
厳密には科学的に間違った伝え方をした方が、いいケースもあります。その際は、私は「ウソつき」になります(笑)。バランス力学整体院の価値観「カラダの悩みを2人3脚で根本的に解決することで、あなたの生活の質と幸福度の向上に貢献し続ける」と各々の「なりたい自分」への「有効性」を最優先しています。
現代の文明に流されていると、人間関係にも「興奮」を求めるようになりがちです。そうなると「結果」だけを重視し、人間関係もコントロール欲のぶつかり合いで、支配と依存といった上下の関係をつくるようになります。
さらに併せて、他人に対しての愚痴が多くなる傾向があります。その理由は、愚痴をいっているときは、脳内でドーパミンが放出されて興奮できるから。愚痴をいうことで快楽を得ているのです。上下関係に厳しい人が、酒を飲んで愚痴をいっている場面に見覚えがある人も多いと思います(笑)。このような人間関係が中心だと、過度なストレス状態になりやすいですね。
反対に人間関係に「安心」を求めると、結果よりも「プロセス」を大切にして、横並びの対等な人間関係をつくるようになります。そうなると、思いやりを持って協力し、信頼し合える関係になろうとするので、心穏やかな時間が増えます。
もちろん私自身が今回お伝えした内容を、常に実践できているわけではありません。人間関係の課題は、私自身まだまだあります。ただ今はおかげさまで、当整体院でご縁をいただく人の課題と向き合うことで、私自身が成長させていただいているのだと思います。本当にありがたいことです。今後も皆さまの悩み解決にお互い協力して取り組むことで、共に成長していければうれしいです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗