池袋で結果が出ると評判の整体 バランス力学整体院

笑門来福

Vol.6 「スポーツから見える日本人の変化」

2024-09-19

 こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。

 9月に入っても暑い日が続いていますね。今年の夏は暑かったので、私自身はTVでのスポーツ観戦が多くなりました。先月の高校野球、パリでの五輪、今月のパラ五輪。特に私が注目したのは、男子体操。私の母校OBの水鳥監督、リザーブの土井選手、そして母校を中退して社会人チームに「飛び級」で所属し、今大会4つのメダルを獲得した岡選手。面識はありませんが、母校の後輩の活躍は嬉しいですし、刺激を受けるものです。

 また、「先生の母校は甲子園残念でしたね」と数人の方に声をかけていただきました。私が所属していた野球部は、県大会決勝で惜しくも敗れて甲子園出場は叶いませんでした。残念でしたが、すでに春の選抜に向けて新チームが始動しています。私自身もさらに成長できるように精進することで、結果的に誰かが喜んで、プラスになる刺激を与えていく存在になっていたら嬉しいなぁ~と思いました。

 さて前回は、「自己流に考えて行動するクセを直すヒント」を私なりにお伝えしました。「私の会社では科学的な根拠より、個人の経験や勘を重視しやすいでの、特に若手が混乱しやすいです」「スポーツの例えが分かりやすかったです。スポーツだと競技のルールを守ってチームの戦略に従うのは当然なのに、仕事だと就業規則は守るけど、業務のルールや会社の方針を守らない傾向が日本ではありますね」など、ご感想ありがとうございました。また「日本人選手のパリ五輪でのメダルラッシュは、前回の手紙の内容と関係していませんか?」というご質問も。今回はその際にお話ししたことなどをお伝えします。

 パリ五輪で日本は、メダルランキング3位になりました。この躍進には、日本のスポーツ界では、昔は「努力・根性」が基本だったのが、近年は科学を取り入れるようになったことが大きな要因だといわれています。例えば、先述した男子体操。2016年リオ五輪後に水鳥監督は、「体操界では、科学的指標に基づいた指導はあまり行われてきませんでした。しかし近年、体操の技が飛躍的に高難度化していること、またそれに伴ってケガのリスクが増大していることから、技の仕組みを科学的に解析することが重要となっています」と語っています。

 また好成績の理由として、前回紹介した野球のダルビッシュ投手のように、以前に比べると日本人選手の主体性が高くなってきていることが挙げられます。元サッカー日本代表監督の岡田武史さんは、「日本人サッカー選手は、体力・技術・戦術眼(サッカーIQ)は世界レベルになっているが、主体性が圧倒的に足りなかった」といわれています。監督の指示には従いやすいけど、自分で判断しないで監督に判断を仰ぐ選手が多かったようです。また、「強豪国の選手は監督やコーチにお構いなしで、ハーフタイム中は選手だけで激論を交わしている」と。もちろん文化の違いもありますが、日本人選手は他律的で、強豪国は自律的。岡田さんは、選手に自由を与えようとしても選手は自由を選択しないので、どうしたらいいのかと悩んでいたようようです。

 そんな時に、欧州で最も自由にプレーしているように見えるスペイン人のコーチに聞いてみると、「スペインでは、16歳まで基礎を徹底的にたたき込む。そして、大人になって自分で判断するようになる」と。それを聞いた岡田さんは、「あれだけ自由にプレーしているスペイン人のベースは、育成期の基礎の徹底だった。日本は真逆で、中学までは才能に任せて比較的自由。高校から戦術などを学ぶ流れができていた」と感心されたようです。大人になると日本の選手は規律にがんじがらめのプレーをしがちで、欧州の選手は規律の中で自由でわがままなプレーをするような流れができていたようです。規律を理解したうえで、自由は理解できるもの。自由は規律の中にしかないし、規律がないと自由が生まれないことを私たち日本人は理解していない人が多いといわれています。だから多くの日本人は、規律の中で自由に判断するのが苦手なのかもしれませんね。

 また「主体性」といえば、他人から指図されたり、他人の力を借りたりせずに、自分から進んでやろうとしている姿勢のように思われがちですが、それは「自主性」です。「主体性」は、自分自身の意思や判断に基づいて行動を決定している姿勢です。いま岡田さんは過去の日本のやり方を潰して、日本人が主体的に行動するメソッドの開発を行い、サッカーだけでなく学校教育の現場でも実践されています。もちろんメディアで取り上げられる一部の天才的な人の中には、ほぼ独学でうまくいった人もいます。しかし、そのような情報に影響を受けて自己流で進めても、上手くいかない確率が高いでしょう。前回お伝えしましたが、自己流で好き勝手に行動するのではなく、まずは科学や教科書を基に学ぶことが大切だと思います。

 ただ科学を学んだだけでは何も変わりません。以前お伝えした通り、科学の世界では「何も誰も信じず疑わず、ただ試して確かめよ」。この「試して確かめる」という実践が大切になります。前回お伝えした、「科学的根拠があるかどうかで判断し、そのうえで実践して自分の感覚と照らし合わせながら、自身の課題と改善点を見つけていくという姿勢」です。同じことを実践しても、心身の状態が違うので、身体感覚は一人ひとり異なります。だから指導者には、科学的根拠を一人ひとりに合った感覚的な言葉に置き換えて伝える技術が必要なケースが多くなります。

 そして行動の動機付けになるのが、目標設定。まず目標を持って、その目標を実現する行動を科学など参考にして理解して、その行動をやり遂げる自信を持つことが大切。逆に行動できない人は、「何のためにやっているのか分からない」「やり方が分からない」「自信が持てないからうまくいかない」といった感じ。目標設定の大切さを理解している人の多くは、目標を達成したときの喜び・達成感を分かっている人。そのような人はやらされている感はなく、自分からどんどん成長していく傾向があります。そして、「自分で選択できる」という心の状態になって、主体的に「自分が決めた」という積み重ねで自信がついてきます。人間は自分が選んだものに対して、価値を持てる傾向があるから。

 ただスポーツ以外だと、明確な目標を掲げるのは難しいという意見もあります。目標が掲げられないときは、目標を育てる作業がオススメ。例えば1つの方法として、まずどんなことを成し遂げたいのかを、ちょっと難しいかもしれないけど努力すれば実現可能な範囲内で考える。次にその未来が自分にとってどれだけ素晴らしいかをしっかり自分の中で考える。そして、そのイメージが溢れるような状態に持っていく。そんな状態になれば、成し遂げることが怖くなくなっていきます。逆に目標が育っていないと成し遂げることが怖くなって、何かと理由をつけて何も行動しないことを選択しがち。また非現実的な目標を掲げるとその瞬間は気持ちよくなりますが、気持ちよさを味わうために繰り返し非現実的な夢を妄想するだけで、何もしない結果になりやすいです。

 またチームスポーツでは、チームの規律と目的をチーム全員が共通理解した上で、目的達成への道は選手自身で考えることを求められています。その結果、本来の力が発揮できるからです。同じように会社の組織でも、目的を合わせることが大切。目的が違う人とは、建設的な議論が困難。逆に目的さえ合えば、意見が違ったりしても議論を進めることができます。さらに目的を合わせて議論を進めていくと、あるタイミングで意見が合うことが多いものです。目的が合っていれば、なんとなくの妥協案ではなく、その地点での最適解を導きやすくなります。

 バランス力学整体院では、慢性的なカラダの不調の改善後の「生活の質が向上した未来」を共有し、科学的根拠に基づいたプログラムを「自分のカラダは自分で」という意識で実践していただいています。私はプログラムを提供する際は、個々の感覚のフィードバックが違うので、一人ひとりに合わせて伝え方を変えています。また今の日本は、科学的根拠のない情報の方が信じられている環境。だから私は多くの人にとっては科学的な説明だけが唯一の真実ではないことを意識して、目の前の人が語る内容から不調の背景を尊重して、抱えている問題に対して個別のアプローチを試みるように心がけています。必要だと判断すれば、科学的には正しくない伝え方もします。さらにご自身の心身に対して、健康になりやすい価値観が創造されることを重視しています。

 ありがたいことに当整体院に来院する前とプログラム後では、カラダの状態だけでなく健康に対する考え方にも変化が起こった結果、「人生が変わった!」といわれる人もいます。またプログラムを続けていくうちに、主体的に「自分が決めた」という積み重ねで、ご自身に対する信頼、つまり自信が高まる人もいます。その姿を見ると、あらためて素晴らしい仕事をさせていただいていると思います。今後も皆さまの生活の質が少しでも向上するように、貢献し続けていきます。

 『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』

 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

池袋バランス力学整体院
院長 山本浩一朗

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