2014年ばらんすだより
Vol.6 「カラダの痛みは第二感情!?」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
セミの鳴き声の合唱が始まり、いよいよ夏本番ですね。エアコンが必要な季節ですが、私たち現代人はエアコン1つで温度を調整できるようになったので、無意識に環境をコントロールできると勘違いしている人が増えているようです。日々の天候に文句を言っているような人は要注意ですよ(笑)。当たり前ですが、与えられた天候を変えることはできません。そのなかで工夫して上手く付き合っていくのが大切ですね。暑いからといって、ずっと部屋に閉じこもるのはストレスになりますので、天然の冷房ともいえる避暑地の大自然のなかで五感を刺激するのもオススメです。たまには、カラダが喜ぶところに自分を連れていってあげましょう!
すでに皆さまにはお伝えしていますが、慢性的な体の痛みにストレスが関与していることは科学的に証明されています。ただ、この現代社会でストレスなく生きることは無理です。ストレスを溜めこまないことが重要です。では、ストレスを溜めないためにはどうすればよいのか? 自分の気持ちに気づいてあげることが大切です。自分の素直な気持ちを抑え込んだりごまかしたりするとストレスは溜まります。自分の気持ちをしっかり観じていれば、その感情がストレスとして溜まることなく解放されていきます。これは、幼い子供をみればよく分かりますね。私たちも幼い頃はその瞬間の自分の気持ちをしっかり感じて、泣いたり笑ったりしていたので、ストレスが溜まることは少なかったはずです。
前回のコラムでお伝えした通り、自分の気持ちをごまかす習慣があった方が、当整体院で体の痛みを解放することを通じて、自分の気持ちに気付けるようになって、感情を溜めこみ過ぎないように変わる方が多いです。ただ、怒りの気持ちをしっかり感じようとすると、逆にますます怒りが激しくなってくるという方がいます。そういった方には個別でアドバイスさせていただいていました。すると、「コラムで皆さんにも伝えた方がいいですよぉ~」と何人かの方からご提案していただいていましたが、私がお伝えすることをすっかり忘れていました(汗)。そして、有り難いことに「まだですか?」とまた思い出させていただきましたので、今回この件をお伝えさせていただきます。
では、なぜ他の感情は観じ尽くせば消えるのに、怒りの感情は消えるどころか、増幅されることがあるのでしょうか? それは怒りは本来の感情ではないからです。怒り・イライラ・恨み・妬みなどの攻撃的な感情は心理学では第二感情と呼ばれていて、第一感情という元の感情をごまかしたいがために、攻撃的な感情で隠しているのです。例えば、私がよく使う例ですが、コンビニの店員さんの対応にムカついたとします。瞬間的に怒りが湧いてきたとしても、元の感情は怒りではありません。「もっと大切に扱って欲しかったのに悲しかった」「こんな対応されてがっかりした」……などなど。このように、怒りは、悲しさ、みじめさ、寂しさ、残念、孤独感、不安、心配といった感情が元の感情である場合が多いです。この第一感情に気づいて「みじめだったね」「寂しかったね」と元の感情を味わっていけば、次第に怒りは消えていきます。
しかし、怒りなどの攻撃的感情の元が何なのか分からない場合もあると思います。それは、元の感情――例えばみじめな気持ちを認めたり感じたりしたくないので、感情をすり替えているからです。ちょっと考えても分からないときは、無理してまで元の感情をみつけようとしなくてもよいと思います。無理してみつけてしまえば、その気持ちを感じるのが今の精神状態では苦しい場合もあると思います。そのようなときは、隠れて叫んでみたり、怒りの気持ちを書きなぐったり、愚痴をこぼせる人がいれば、「ちょっとゴメン。愚痴聞いてくれる?」と了解を得て、話して聞いてもらったりして、怒りをうまく吐き出すパターンを自分で作っておくことをお薦めしています。攻撃的な感情を過度に抑え込めば、突然爆発したりして、精神的に不安定になる場合もあります。元の感情を感じ尽くせればいいのですが、それが難しい場合でも攻撃的感情を我慢して溜めこむのは不健康ですので、溜めない習慣を作っていくことが心身の健康には大切です。
ここまでお話しすると、「第二感情って痛みと同じですね」と気づかれる方がいます。その通りです。慢性的な痛みも元の感情を認めたり感じたりしないために作られているのです。同じように痛みの元になっている感情に気づいてあげることが大切です。ですので、慢性的なカラダの痛みは、自分の本来の感情に向き合う絶好のチャンスです。現代人の多くは、自分の気持ちに気づく能力よりも、気持ちを無視する能力が高くなっている傾向があります。それが痛みの源泉になっているのです。しかし、体の痛みをキッカケに自分の気持ちに気づけるようになっていくと、本来の自分を大切にするようになっていきます。感情を無視する状態から、容認する状態へと変わっていくことで、自分の気持ちを偽らなくなって、より自分のことを好きになっていくでしょう。ただ、何もかも自分の感情や欲求どおりに行動することできませんので、「我慢」がクセになっている人は「忍耐」に変えることをオススメします。私の考えでは我慢と忍耐の違いは下記の通りです。
我慢=自分の感情を抑え込んだりごまかしたりして無視している状態。
忍耐=自分の感情を分かった上で、心身が耐えられる範囲で何かをしている状態。
つまり、やりたくないことをやるにしても、「やらねばならない」という義務感などで感情を隠したり無視したりして、我慢するのではなく、「嫌だけれど、仕方なく選んでやっている」といった客観性をもって取り組めばいいのです。これを伝えると、「忍耐もイヤだぁ~」という人もいます(笑)。しかし、自分が心地いいと感じることしかやらない人生は歯ごたえがなく、精神的にも耐性が弱くなります。多少の忍耐を強いられる人生の方が、ストレスにも強くなって、きっと充実したものになるはずです。感情は直接コントロールできません。自然に湧いてくるものです。コントロールできるのは行動です。自分の感情をより好みして我慢するのではなく、自分の素直な感情に気づけるように、行動や習慣を変えていきましょう。すると、心地良く感じられる時間が自然に増えていきます。そうなれば、ストレスが溜まることは少なくなって、心身ともに元気になっていくでしょう。
私が単にそのときの痛みを取るお手伝いをするのであれば簡単ですが、時間が経てば効果も下がります。すると、また私を頼って来院するという強い依存関係になっていくでしょう。商売だけ考えれば、それでもいいのかもしれません。しかし、それでは痛みを作った本人が治る決心ができず、結果も中途半端な状態が続くことになります。また、体の痛みの解放を通じて習慣を変えるという折角のチャンスを私が潰すことにもなります。やはり、痛みの原因――つまりご自身と向き合うことが大切です。しかし、自分の気持ちをごまかし続けていた人には、少し辛い作業になることもあります。ですので、私がそっと寄り添ってしっかりサポートしていきたいと思っています。こんな変わった整体院ですが、共感して活用して頂いている皆さまにはありがたい気持ちでいっぱいです。今後も変わらぬ応援よろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗