Vol.2 「脳が不調になる孤独の対処法」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
桜がチラホラ咲いて、春の気配を感じるようになりましたね。また、この季節には花粉症で苦しむ人が日本で多くなっています。この国民病ともいえる花粉症ですが、バランス力学整体院では多くの人の花粉症が改善しています。科学的な検証はありませんが、重度のアレルギーを持っていなければ、当整体院のプログラムを実践すれば改善されています。もし花粉症でお悩みの方がいましたら、簡単なアドバイスをさせていただきますので、お気軽に声をかけてください。
さて前回は『スマホは健康に悪いのか?』というご質問に対して、現時点での研究結果を基に私なりにお伝えしました。「スマホは使い方次第で、睡眠と知能への悪影響、つまり脳が不調になる可能性が高まる」と。「確かにスマホが近くにあるだけで気になって集中できませんね」、「目的なくスマホを使ったあとに、イライラする傾向があります」・・・など、ご感想ありがとうございました。
また、「脳が不調にならないためには、どうすればいいですか?」といったご質問も。この件については、このコラムで何度かお伝えしていますが、私の文章力の低さからなのかうまく伝わっていなかったようですね(汗)。ただその際にお話したら、すぐに思い出していただきました。そこで今回は、以前のコラムに新たな内容を追加する形でお伝えさせていただきます。
以前お伝えした『脳の機能低下を防ぐ5つの習慣』。5つの習慣とは、「動く」、「寝る」、「食う」、「ストレスの考え方」、「ストレスの対処法」。さらに、前回・前々回にお伝えした「(SNSなど中毒性が強い)快楽との付き合い方」。そして今回追加するのが、「人とのつながり」。 前回のコラムで、スマホに夢中になるあまり同居している家族も含めて人とリアルに接する時間が少なくなって、より孤独感を覚えて、さらにスマホを使って気を紛らわすというループにハマってしまいがちだとお伝えしました。孤独は脳に大きな悪影響を与えているという研究結果が、この10年で特に多くなっています。
孤独は自分がどれだけ社会的接点を持っていたいかと、実際に自分がいくつ社会的な接点を持っているかの差で感じやすくなるといわれています。つまり孤独感は主観的なもの。独りで過ごしていても他の人との密接さを感じられることもありますし、多くの人が周りにいても独りぼっちのような気分になることもありますね。「幸せ」と似たようなもので、どのような状態が孤独というものはなく、ただ感じるもの。
また独りでいれば、ストレスに対して「闘争か逃走か」といった反応をしない感じがしますが、実際は違うようです。孤独を感じているときは、他人に脅かされているように感じやすくなるようです。他人の表情に神経質になり、普段とは違った解釈をしがちに。例えば、家族や周囲にいる人は競争心が強く非協力的な人だと解釈してしまう。孤独だと一人でいても世界全体が脅かしてくるように錯覚して、自分はこの世界に歓迎されていないような感覚に陥ってしまうようです。
この原因は解明できていませんが、人間という生物が「孤独≒死」という期間が長かったからだといわれています。集団でいれば、自然の脅威や災害から自分の命を守れる可能性が高くなります。だから私たち人間は孤独を感じると、脳は誰も助けてくれない状況だと解釈し、死のリスクが高まった状態と感じて、「闘争か逃走か」という状態で危険に対して警戒しておかなくてはと反応してしまうようです。
そのような状態は、かつては人間の命を助けてきたけれど、私たち現代人にとっては迷惑な反応ですね。他の人が自分に敵対心を抱いていると勘違いして社会生活がラクになることはないし、むしろ敵対心を抱いているので無礼で傲慢な人だと思われることもあるでしょう。
また他人を否定的に解釈していると、長期的な孤独にもつながります。例えば、何かの誘いがあっても、「本当は自分なんか呼びたくないはずなのに、あの人が罪悪感を覚えたくないから誘っただけ」、「自分のことを利用しようと企んでいる」と反応しがちに。さらに何かの集団に属していないという状態も、人間の脳は生存が懸かっている緊急事態だと受け取りやすいようです。反対に何かの集団に属していると感じていると、「もし何かあっても誰かが助けてくる」と解釈しやすくなります。すると脳は大きな脅威はないと判断して、リラックスした状態に落ち着きます。
もちろん、ただ多くの集団に属していればよいというわけではありません。個人差はありますが、浅い付き合いの社交で忙しくしているより、強い結束を感じられる親しい人が数人いることの方が心身の健康には重要だという研究結果が多いです。考えてみれば、会ったこともないSNSのフォロワーは、あなたがピンチになっても助けてくれないでしょう(笑)。
人生に幸せと健康をもたらすものは、お金や権力・名声などではなく、良好な人間関係だというハーバード大学の研究結果があります。人間関係で悩んでいること自体は、問題ありません。何かあったときに誰かがいてくれるという認識が大切なのです。
ですので、孤独を解決するには、数人の親友がいる状態をつくることが大切。まずご自身で親友をリストアップして、互いに助け合える人がいることを確認することで、孤独感が少なくなります。ただ親友と呼べる人がいない場合は、親友なんてすぐできるものではないですね。
そこで孤独の対処法として、とりあえず人に触れること。私たち人間は、皮膚に軽く触れたときに脳から鎮痛作用があり幸福感を感じられるエンドルフィンという物質が放出されるといわれています。これは人間だけでなく、遺伝子が近いゴリラやチンパンジーも同じ。彼らは起きている時間の約20%を、お互いの毛づくろいをする「グルーミング」と呼ばれる行為をしています。「グルーミング」をすることで、なでるほうもなでられるほうもエンドルフィンが放出され、2者の間に親密な感覚を生み出しているようです。
また肌にも影響します。外の世界が危険だと思えば思うほど、皮膚表面は酸化に傾く傾向があります。酸は「攻撃性」を象徴しているので、肌の酸度を決める要因の1つに「外界への信頼度」が関わってくるからです。スキンシップ豊富に育った子どもの脳が発達し、肌やココロの状態が安定しやすくなるのは、そのためです。触覚は「安心」「信頼」の象徴的感覚で、「自分がココに存在する」ことを認識する感覚。大人も人間の最大の受容器官である皮膚に軽く触れる機会を作ることは、心身の健康に大切です。日本人はハグやキスの文化があまりありませんが、家族など信頼できる人と触れ合うことで孤独感を解消できます。
またペットや植物に触れることも有効。実際、ガーデニングで社会的なつながりが向上するという研究結果もあります。さらにスポーツやコンサート、演劇鑑賞なども効果的。私たち人間は他人と一緒にカラダを動かしたり、歌ったり笑ったりすることでも、エンドルフィンが分泌されます。似た目的を持った人の集まりで、「自分たち」という感覚を生むからです。文化活動は、人間が生きるために不可欠なものになっていますね。様々な研究結果でも、デジタルで他人と接触しても今ある関係の維持はできても、新たに親密な深い関係をつくるのは難しいとのこと。私たちの社交欲求には、物質的に接触する必要性があるようです。
孤独による苦痛が脳の機能を低下させるだけでなく、カラダの症状として表れるケースはあります。その中で多いのが、バランス力学整体院で扱っている「慢性的なカラダの不調」。孤独によって長期的なストレスを抱えて、カラダに異常がないのに、火災報知器が故障したように痛みなどの症状で警報を鳴らし続けるのです。カラダの症状の原因が「孤独」であれば、症状の改善にはご自身の「孤独感」と向き合う必要があります。ただ「孤独感」をゴマかすために、カラダに意識を向けるように無自覚に症状をつくっているケースが多いので、自身が隠し続けた「孤独感」と一人で向き合うことは困難です。
その点、バランス力学整体院を上手に活用して、ご自身が気づいていなかった「孤独感」と向き合って、症状の改善だけでなく、「孤独感」から解放される人もいます。また当整体院の「痛み改善プログラム」の「カラダ認識法」を習慣化されている人もいます。以前までは「孤独」を感じやすかったのに、家族でお互いに「カラダ認識法」をすることで、「安心」を感じやすくなったと。バランス力学整体院独自の「カラダ認識法」は、先述した「グルーミング」と同等の効果があると思います。
さらに、「ココに来るとココロも安定します」という人も。当整体院のベッドや施術の効果もありますが、私が施術でカラダに触れたり共通の目的に向かったりすることで、結果的に孤独感を解放することにもつながっているのかもしれませんね。
今回の「人とのつながり」を含めた「7つの生活習慣」は、バランス力学整体院が扱う慢性的なカラダの不調に限りません。うつ病・認知症・肥満・糖尿病・高血圧などの予防も同じ。脳の状態を正常にすることで、健康な日常生活を送りやすくなります。
ただ生活習慣の改善は、どんな名医でも患者さんの代わりに実践することは不可能。日本の健康業界全体が他人任せで依存的な風潮のなか、「自分の生活習慣の改善は自分で」という想いで自律的にプログラムに取り組まれた皆さまは、本当に素晴らしいです。今後も皆さまが望む状態に応えられるように、私が一人の人間として皆さまと向き合い、お互いに協力していきたいと考えていますので、引き続きよろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗