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Vol.4 「災難を逃れる最良の方法」

 こんにちは。池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
 
 あの大震災から1ヶ月が経過しました。この度の東日本大震災に際し、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、少しでも多くの方のご無事を願い、少しでも早く安定した生活に戻られますことを心から深くお祈り申し上げます。

 3月11日、大地震のあった日、私は当院にいましたが、かつて体験したことのない激しい揺れに驚きました。てっきり東京が震源地だと思っていました。幸い当院は、来院中のお客様・施設・スタッフともに震災での被害はありませんでした。沢山の方から暖かなご心配のメッセージ、ありがとうございました。今のところ当院に来られた方のご家族などにも被害はないと聞いていますが、皆さま大丈夫でしょうか?

 震災後、私は東北の友人に連絡を取りました。ほとんどの人の無事が確認できた中、一人だけ連絡が取れない人がいました。その時、浮かんできたのは当院のトイレのカレンダーにもある良寛和尚の言葉です。

「地震は信に大変に候。野僧草庵は何事もなく、親るい中、死人もなく、めで度存候。うちつけにしなばしなずてながらへてかかるうきめを見るがはびしさ。しかし災難に逢う時節には災難に逢がよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。是はこれ災難をのがるる妙法にて候。かしこ」

これは、1828年に起こりました「三条の大震」と呼ばれる大地震で、子供を亡くして失意のどん底だった友人の山田杜皐さんに、当時71歳の良寛が送った手紙です。私なりに訳すとこんな感じでしょうか。

「大地震は、誠に大変なものでしたね。私の住まいは何事もなく、親類で亡くなる人もなかったことは幸いだったと思っています。突然の地震で死ぬこともなく生き永らえて、こうした惨事を見るのは本当に悲しいことです。しかし、何事にも時節というものがあり、災難に出逢う時には、災難に遭い、死ぬ時には、死ぬのがよいのかもしれません。この自然の摂理をわきまえて、心を定めていることが、災難というものを逃れるベストな方法ではないでしょうか。」

この手紙には、山田さんが子供を亡くしたことには全く触れず、ただ普段からの心構えを伝えているところに、二人の強い信頼関係と友人の悲しみを助長させぬように気づかう良寛の深い慈愛に満ちた内容が感じられます。私自身この言葉を胸に安否が確認できない一人に対して次のように思うようにしていました。「彼は年下だけど、人格はとても素晴らしい。短いかもしれないが、もう人生を十分生き抜いたので丁度お迎えが来る時期だったのだろう。」と。私と同じように彼の安否情報を求める人が多くいて、さらに彼の職場に近い地域の震災後の写真を見て、ほぼあきらめていました。そんなとき……連絡がありました。「家族も皆無事です。」と。いやぁ~泣けました。嬉しくて。良寛の言葉で暗示をかけていたのですが、まだまだ未熟な私はその境地に立っていないようですね。皆さまには「病気になりそうになったら、ジタバタしないで受け容れた方が楽」と良寛の言葉を借りて伝えているのにもかかわらず……(汗)。

 さて、震災後に“疑似被災”ともいえる心理状態になっている人が、日本全国に増えているそうですね。震災の惨状を毎日のように映像で見続けた結果、不安感や無力感に襲われたり、常に緊張が解けなくなったり……。被災地にいなくても、まるで自分が被災したかのような心理状態になってしまうわけです。このような状態にならないためにも、TVの見過ぎには注意した方がよさそうですが、簡単にできて効果的なのは「身体からのアプローチ」です。何度も言っていますが、人間の心と体は密接につながっていますので、心の状態は身体にも表れます。心から変えるのは難しいけど、身体から変えていくのは簡単です。

 さらに、このような災害時には、何よりも「まずは自分を大切にする」というスタンスがいつも以上に大事です。「被災地の人の苦労を考えると、自分は楽をしてはいけない」と自分を追いこんでしまう人もいるようですが、自分が疲弊してしまうと復興も支援もできません。まずは心と身体をしっかりケアして自身が元気でいるからこそ支援もできるものです。そして、自分の持ち場で全力を果たすことも重要です。明るく元気に、自分の仕事や自分の学びに取り組む。それこそが日本の復興や支援につながると思います。
 
 その点、池袋バランス力学整体院に通われているほとんどの方は、震災に対して冷静に対処していました。私はもっと混乱している人がいると勝手に予想していたのでビックリしました。皆さん何かしら工夫して、対処していたようです。その中でもこんな嬉しい報告がありました。

「心が折れそうになったとき、先生の手紙を思い出してTVを観るのをやめたら、
 心が落ち着いてきました。」

「スーパーで殺伐とした雰囲気があったけど、『災害時に略奪が起こるのが世界の常識だけど、
 日本人の道徳力は素晴らしいので起こらない』という手紙の言葉を思い出して、
 他人に譲ろうと心に余裕ができた。」

「心をスッキリするためには掃除がいいと手紙に書いていたのをふと思い出して、
 掃除ばかりしていたら不安がなくなってきた。」……などなど。

この手紙がこんな形で役に立つとは……。本当にありがたいです。私自身は、震災直後は少し無力感に襲われました。「たいした貢献が出来ないなぁ……」と。しかし、すぐに自分のできることをやっていこうと想い、行動に移しました。今後も、「今、自分にできることは何か?」と自問しながら、私はできることをやっていこうと思います。

 この災害をキッカケに、いま日本は一つになろうとしているのだと思います。亡くなった方を思うととても心が痛みますが、まだ生かされている私達が、心を一つにすることで、世界も一つになっていくのだと思いたいです。そうなれば少しは報われた気がします。
 
 どんな小さなことでも、自分にできることを一人ひとりが元気にやれば、大きな力になると思います。まずは自分の心と体を大切にして、皆さま顔晴(がんば)って生きましょう!
 
 『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』  
 
 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

池袋バランス力学整体院
院長 山本浩一朗
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