笑門来福
Vol.1 「人を不幸にする○○不足」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
新年早々、首都圏では2回目の緊急事態宣言。新型ウイルスの影響で、症状発症で「病気を治す」という意識から、病気がなくても「健康状態を高める」という意識に変わった人が多いと聞いています。その原因は感染症への恐怖心がベースになっているようですが、今後はこれをキッカケに病気への不安ではなく、ご自身の生活の質を向上するために健康への意識が高まればいいなぁ~と思っています。
さて前回のコラムでは、『なぜ「不幸な状態の人」が増えているのか?』をお伝えしました。「動かない生活」・「自然欠乏症候群」という2つの原因を挙げました。「座る時間が多く人間らしい生活ができていないですね」、「人類はテクノロジーの家畜に向かっていますね」といった内容のご感想が多かったです。たしかに私たち現代人は人間らしい生き方を忘れ、「文明に飼い馴らされた生き方」をしているともいえるでしょう。
また、前回の内容を実行に移されたご報告を沢山いただきました。「緑の多い場所での散歩を日課にしたら、さらに気分がよくなりました」、「部屋に観葉植物を置きました」・・・・・・などなど。ご自身に合った対策を実行していただき、とてもうれしかったです。さらに、「なんで人間はこんなに『動かない生活』になってしまったのですか?」、「他の不幸を避ける方法はありますか?」といったご質問も。今回はそのようなご質問に対する私なりの考えをお伝えさせていただきます。
人類が誕生して旧石器時代から約1万年前までは、人間は狩猟採集生活をしていました。そして約1万年前にいわゆる農業革命により、農耕と牧畜をすることで人間は食料を保存できるようになり、定住が可能に。そのため人口が増え続けました。さらに約250年前の産業革命を経て、100年ほど前から加工されすぎた食品、いわゆる超加工食品の摂取量が増え続け、生活習慣病になる人が増加。具体的には、糖尿病・がん・うつなど。このような病態は、現代の狩猟採集民にはみられません。私たち現代人は食物が足りているのに、栄養不足の人が多いです。
食料の工業化で、私たち日本人が不足しがちな栄養素に挙げられるのが食物繊維。便通を整えて生活習慣病の予防になる栄養素といわれる食物繊維は、「第2の脳」といわれる腸の働きを助けます。また腸は神経伝達物質を装備しているため、心身両方の幸福感を調節したり、意志決定プロセスに影響したりしているようです。そもそも二足歩行の私たち人間は、直立して機敏に動くため、消化器がコンパクトなので、四足歩行する類人猿に比べて消化能力は低いです。だからこそ効率よく食物繊維などを摂取して、腸内環境を整える必要があります。
厚生労働省の基準では、1日20g以上の食物繊維を摂取することを推奨。戦後の日本人は30gほど摂取していましたが、今の日本人の1日の平均摂取量は半分の14gほど(現代の狩猟採集民は1日40g以上)。さらに、食物繊維には不溶性と水溶性のものがあり、現代日本人の多くが摂取している食物繊維の多くは、水に溶けない不溶性。不溶性食物繊維は水分を吸って膨らむため、便の量を増加させ便の排出を促す効果がありますが、摂りすぎると便秘になりがち。だから多くの日本人は、不足している水溶性食物繊維を積極的に摂取する必要があります。
では、現代生活でどのように摂ればよいのでしょうか? 例えば、食物繊維の量でよく挙げられるレタスは1玉の食物繊維が3g弱。レタスを1日7玉食べるのは、キツイですね(笑)。さらにレタスに含まれる食物繊維のほとんどが不溶性。私がオススメするのは、続けやすいこと。水溶性食物繊維が豊富な食物、例えばお米を食べる習慣がある人は大麦やもち麦を多く混ぜる、キウイなどの果物を食べる・・・・・・などなど。手間をかけたくない人は、イヌリンなど水溶性食物繊維やフラクトオリゴ糖を食物や飲み物に混ぜて摂取するのもいいでしょう。
そして、現代日本人が不足しがちなもう1つの栄養素はビタミンD。ビタミンDは、免疫や脳が正しく働くために欠かせない必須栄養素です。またカルシウムを効率よく吸収する働きがありますので、骨が強くなります。不足している主な原因は、太陽の光を浴びない生活習慣。私を含め室内で働く人が増えたことも影響しています。産業革命からビタミンD不足の人が増えていたようですが、約20年前から始まったといわれるIT革命によって、本格的な「動かない生活」が始まり、現代人の約90%がビタミンD不足になっており、それが原因で体調を崩している人も多いです。
ただ、ビタミンDは食事から大量に摂取するのが難しい栄養素。ですので、前回のコラムでお伝えした通り、野外に出る機会を増やすことが効果的です。晴れた日であれば、30分ほどの日光浴でメラトニンが分泌し、ビタミンDの量が健康レベルに保たれます。冬は日照時間が短いため、日に当たる時間が少ないことが、感染症にかかりやすい原因の1つといわれています。とはいっても、美容や日光アレルギーのため、なるべく日に当たりたくないという人もいると思います。そのような人は、サプリメントで摂取するのが現実的でしょう。
さらに、テクノロジーの発展で深刻になっているのが、睡眠不足。日本は平均睡眠時間が世界で一番短い国だ、という調査結果があるほどです。私たちの脳は日中に2時間情報を取り込むと、その意味を理解したり不要な情報を整理したりするために1時間の睡眠を必要とします。そのため8時間ほどの睡眠がベストだといわれていますね。つまり、しっかり質のいい睡眠を取らないと、脳の機能が低下します。
例えば睡眠不足が続くと、目の前の報酬や快楽に飛びつきやすくなります。反対に良質な睡眠をとっていると、学習効率が上がって賢くなりますし、幸福の感度も高くなります。また睡眠不足により、インスリン抵抗が生じて、太る体質になりやすいです。さらに、免疫系の機能が大幅に落ちるので、病気、特に風邪をひきやすくなります。また慢性的な肌トラブルやうつ症状を持つ人には睡眠不足の人が多いようです。このように、睡眠不足は心身に大きなダメージをもらたらすことから、「睡眠不足は不幸の始まり」という科学者もいるほどです.
現代生活での睡眠不足の対策は様々ですが、私のオススメは光のコントロール。人間は生まれつき、自然光に反応して睡眠をコントロールするシステムが備わっています。しかし、人口光の登場でそのシステムが狂いやすくなりました。さらにPC・スマホ・LEDなどで、夜でもブルーライトを浴びるようになり、睡眠に必要なメラトニンの分泌が乱れる人が増えています。ですので、我が家の夜では、電球色の薄暗い光で過ごしています。真っ暗な野外で火を焚いているくらいの光の量です。そのなかでIT機器を使わなければ、自然に眠くなります。人口光をなるべく遮断することで、体内時計が自然に自己修正してくれているようです。
このように栄養や睡眠が足りないことによって、不健康になることで「不幸な状態」に陥っている人もいます。不足することで、脳の機能が低下するケースは様々。例えば、貧困。脳の不調とは関係なさそうですが、お金の心配で頭が一杯になると、どんなに賢い人でも合理的な判断ができなくなります。お金がないのに携帯電話に毎月数万円分も使うとか・・・・・・。お金だけでなく、時間も同じ。時間が足りないといっている人ほど、ムダな時間を費やす傾向があります。私たちは何かが足りないという思いが強くなると、自分で自分の首を絞める行動をしてしまいがちです。
人間はストレスを感じると、体内でコルチゾールというホルモンを分泌して脳が目覚めます。これにより生命の危険を感じたら、瞬時に逃げ出すことが可能です。しかし、ストレスは短期間の危機に備えるためのシステム。現代によくみられる慢性的なストレスには人間はうまく対応できないため、脳が暴走し判断力が低下します。このように様々な要因による脳の不調で「不幸な状態」に陥っている人が、現代では多くなっています。
バランス力学整体院では、「不幸な状態」の1つである慢性的なカラダの不調を解消するために、ストレスとの付き合い方を変えて、脳機能の改善を促すアプローチをしています。この季節に多い花粉症も、認知療法とタッピングで改善されている人が多いです。ただ広告のように、何かを1つすれば健康ということはありません。しかし、すべてはつながっていますので、1つ改善しようとすれば違う効果が出ることは多々あります。
今回の内容の例では、睡眠不足を解消しようとして、昼間に十分な日光浴を続けて、睡眠の質が上がったとしましょう。すると同時に、ビタミンDの量が健康レベルになり、骨が強くなったりします。さらに免疫系や脳が正常に働きやすくなり、花粉症が改善されるケースもあります。また前回と今回の内容は、感染症の重症化対策にもなります。野外で動く生活、自然に触れる生活、栄養が十分な生活、質のいい睡眠・・・・・・。不幸を避ける生活習慣が心身の健康を保つことにつながり、結果的に感染症にも強いカラダにもなっていくのです。
バランス力学整体院で慢性的なカラダの不調を改善することで、様々な効果があるのも同じです。うれしいことに当整体院での経験をキッカケに、様々なことで好転されている人が多いです。「自分のココロとアタマが一致することが増えて、悩みが少なくなってきた」、「自分が変えられることと変えられないことが冷静に判断できるようになって、自分が変えられることだけに集中したら、仕事も生活の質も上がった」・・・・・・などなど、喜ばしいご報告を沢山いただき、本当にありがとうございます。今後もバランス力学整体院はカラダの悩みの改善を通して、皆さまの人生の質が向上するキッカケになれるように、日々精進していきます。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗