笑門来福
Vol.5 「自責・他責 ~ 人を責めるクセの対処法」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
7月も終わり、夏本番ですね。こんなときこそ適度に「動く」ことが、心身の健康のためには大切。しかし暑い日が続くと、外出するのも億劫になる人もいると思います。カラダを動かす機会が減っている人には、部屋の片づけがオススメ。「目にも涼しい」という言葉があるように、私たち人間は視覚情報で温度感覚が変わるようです。モノが乱雑にあったり、大量に積み重なったりしていれば、見苦しくて暑苦しい光景だと感じやすいもの。もちろん、モノの質感や色合いも温度感覚を左右します。冬物がそのまま放置されていたら、より暑く感じるでしょう。夏のファンションがあるように、住まいにも同様のことがいえると思います。外出が減っている人は、家で運動するだけでなく、この機会に家で涼しさを感じられるように、住まいも夏仕様に着替えさせてみてはいかがでしょうか。
さて前回は、『脳の機能低下を防ぐ5つの習慣』を紹介させていただきました。「生活習慣による脳の不調が、様々な不調を引き起こしていることがわかりやすかったです」、「ココにきてから体調だけでなく、仕事のパフォーマンスもよくなった理由がわかりました」など、ご感想ありがとうございました。また、「自責傾向があるのですが、対処法はありますか?」といったご質問を数名の方からいただきました。今回はその際にお伝えした、自責・他責それぞれの「人を責めるクセの対処法」をこちらでシェアします。
まず、前回お伝えした「ストレスの対処法」で挙げた他責傾向と自責傾向の特徴は、下記の通りです。 ※あくまで傾向です。
・他責≒ストレスを避ける→我慢強い:協調性重視→対人=上下関係重視(集団主義)→マジメ、いい人:不調→妬む
・自責≒ストレスと闘う→頑張り屋:誠実性重視→対人=対等関係重視(個人主義)→わがまま、自己中:不調→固執
今回は「他責」と「自責」をもう少し詳しく説明します。他責傾向が強い人の特徴は、何か悪いことが起こると他人のせいだと、相手を責めたり怒ったりすることが多いです。被害者意識に陥って責任転嫁し、口先だけで問題解決のために自ら行動しようとしません。自分は悪くないと信じているので、自分は何も行動する必要はないと考えるのが当然です。また心身が不調になっても、自分で健康になろうという行動をなかなかしません。自分の体調がよくないのは、他人が悪いわけですから。そういえば今回も、「他責傾向の対処法は?」とご質問された人は誰一人いませんでした(笑)。
反対に自責傾向が強い人の特徴は、何か不都合なことが起こったり、周りの人が不機嫌だったりするのは、自分のせいだと自分を責めます。怒りを表現してしまうと、腹を立てた自分に腹を立て、自己嫌悪に陥りやすいです。不健康になったときは自分に原因があると思うので、自分で健康になろうと努めます。現代でも日本ではハードルが高いといわれる精神科やメンタルトレーニングにも、積極的に通います。
ただ自分がどちらの傾向が強いかを知るには、言動ではなく行動がカギ。自分に責任があると思っている人は、口では文句を言っていても自分で行動を起こします。他人に責任があると思っている人は、自分を責めたり謝って反省したりしている言葉を発していても、自分で行動しようとしません。人の本音は、言葉ではなく行動やカラダにはっきり表れます。
ただ、どちらのタイプがいいというわけでもありません。どちらも人を責めているわけですから。そこで、それぞれの対処法をお伝えします。まず他責傾向が強い人は、「自分に起こるすべての出来事は自分が引き起こしているので、すべて自分に責任がある」と考えましょう。そうすれば他人を責めることなく、自分の言動に責任を持つことができます。自分に責任があると思えば、自分で行動しやすくなります。自分が行動することで問題を解決し、目標などを達成していくことを経験できます。すると物事がスムースに運ぶようになりやすくなるので、他人に対する不満や怒りも自然に少なくなっていきます。「やらされ感」がなくなり、ストレスに対して「我慢」する機会も減っていくでしょう。
逆に自責傾向が強い人は、「他人に起こるすべての出来事はその人が引き起こしているので、すべてその人に責任がある」と考えましょう。自責傾向の人は、特に過去の出来事で自分を責めているパターンが多いです。例えば、「親の仲が悪くて離婚したのは、自分が悪いことをしたからに違いない」と。これが両親の責任だと心から理解できると、自責の念が軽くなり、自分の力で変えられることと、自分の力ではどうにもできないことを区別できるようになります。そうなると、自分の力でどうにかできることだけにエネルギーを注げるようになるので、以前よりラクに生きることができるようになります。余計な荷物を背負っていたけど、必要のない荷物は降ろした感覚。身軽になった分、新しいことに挑戦することもできるようになります。ストレスに対して「頑張る」機会も減っていくでしょう。
前回、日本人は他責傾向が強い人が一般的だと紹介しましたが、協調性が高い遺伝子を持つ人が多いので必然だと思います。だから、「すべては自分の責任だと考えなさい」と日本ではよく言われているのでしょう。この言葉は他責傾向が強い人には、有効な考え方。しかし自責傾向が強い人には、自身の考え方に近いので受け入れやすい反面、自責傾向をさらに強化して、結果的に自分を苦しめることになりやすい考え方です。
ただ理想は誰を責めるのでもなく、「わたしもあなたも、みんなOK」。ここでいうOKは、「私もあなたも長所も短所もあるけど、それでいい。あなたはあなた。私は私。違う人間だから」。話し合いで何かを決めるときに、無関心を装い「人それぞれだから」と自ら何も考えないことの言い訳にしている状態や、「多様性が大切だ」と叫んで闘って分断している状態より、自然に受け入れて互いを尊重し合えている状態がいいと思います。そんな状態を少しでも増やしていきたいですね。
前回も紹介しましたが、私は協調性が低めで誠実性が高い性格。だからなのか、20代までは自責傾向が強かったです。20代後半に激しい首の痛みで苦しんでいたときは、この症状は自分に原因があると思い、「治すために何をすればいいのか?」を知りたくて、病院をはじめ様々な治療院に行きました。最終的には自分で調べて、自分の生活習慣に原因があることを知り、精神的にとてもラクになりました。
ただ患者さんのサポートをするにあたっては、私の経験をそのまま伝えると落ち込む人もいました。駆け出しの頃の私は、「自分の生活を改めればよくなることがわかったのに、何でうれしくないの?」と思っていました。しかし、それは私の勝手な思い込みでした。他責傾向が強い人にとっては、自身の不調は自分に原因があるという事実を認めるまでに準備が必要なケースがあることを、多くの人に教えていただきました。だから今もその点は注意しながら、ご対応させていただいています。
バランス力学整体院では、「自分のカラダは自分で治す」というモットーで、痛み改善プログラムを提供しています。当整体院のコンセプトは、日本人の中では少数派の自責傾向が強い人の方が受け入れやすいと思います。他責傾向の人が多い日本で、なぜそうしているのか? それは改善してほしいから。慢性的なカラダの不調の多くは、医師も治療家も改善することができません。ダイエットと同じで、トレーナーがどんなに頑張っても、その人の体重を落とすことはできませんよね。理想のスタイルを手に入れるメニューをご本人が実行しない限り、現実は変わりません。
バランス力学整体院では自責・他責どちらの傾向が強いかにかかわらず、当整体院のプログラムでのカラダの症状がラクになる経験を通じて、自身を含めて「人のせい」にすることが減っている人が多いようです。また、ストレスとうまく付き合える機会が増えている人が多いです。このような変化を起こすには、メンタル的なトレーニングより、カラダから変えていった方が効果的なケースが多いです。道徳的に「人を責めるのをやめましょう」とか、心理的に「どうやって人を責めるクセを直せるのか?」と取り組んでも、なかなか変われないものです。だからカラダを変える、例えば「痛みをつくりづらいカラダづくり」「姿勢を整える」といったアプローチの方が、カンタンに変化も起こしやすいものです。
現代の「便利な環境」に流されていると、知らず知らずのうちに脳の機能が低下して、心身の不調を訴えるケースが増えています。そんな時代のなか、私自身は皆さまのカラダや脳の状態を整えることで、「皆さまのさらなる生活の質の向上に貢献したい」という欲を持ち続けています。今後も私の欲に付き合っていただければ、とてもうれしいです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗