2021年ばらんすだより
Vol.2 「幸せのカギを握る3つの環境」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
先日、首都圏で緊急事態宣言の再延長が発表されました。まだまだ様々な自粛を要請されている風潮がありますが、心身の健康のためには自粛生活はよくありません。もちろん恐怖心でいっぱいの状態や、過度な楽観主義で現実逃避している状態になっている人は、「Stay Home」でいいと思います。しかしご自身で冷静に考えて行動できる人は、感染症対策をした上で感染リスクの低い行動をされることを、昨年同様オススメします。
そして、この季節の花といえば「桜」ですね。自粛気味の生活や感染症の情報などにお疲れの人は、まだ1度も行ったことがない人込みの少ないエリアで、桜を見ながら散歩してみるのもいいですね。
さて前回のコラムでは、『人を不幸にする○○不足』という内容で、栄養不足と睡眠不足を例に挙げました。「適度に動いてよく寝ないとバカになりますね。子供が来年受験なので貴重な情報でした」、「不幸を避ける習慣は、太りづらい習慣ですね」など、ご感想をいただきました。
また、今回も実行される人が多かったです。「日光にあたりながら読書をしました」、「部屋の光を変えたら、早く眠れるようになりました」など。特に睡眠時間の短さが世界一の日本では、夜が明るすぎるといわれています。街は明るいので安全な面もありますが、夜に活動しやすくなりますね。さらに海外の人が驚くのは、日本人の夜の部屋の明るさ。光を調整して就寝時間を早くすることで、質のいい睡眠につながる人も多いと思います。
さらに、「なんで、現代人は不幸を感じやすい生活をしてしまうのか?」といったご質問も。以前のコラムでもお伝えしましたが、今回は違う角度から私の考えをご紹介させていただきます。
人が幸せや不幸を感じるとき、脳の中で働いているのは神経伝達物質(ホルモン)。私たち現代人の生活で、神経伝達物質の偏りが多くなっているようです。現代の文明に流されていると、「快楽」や「興奮」を覚えるドーパミンなどの神経伝達物質を求めるようになりがちです。
そのため、戦うか逃げるかといった「脅威」や「警戒」を覚えるアドレナリンなどのストレスホルモンも多く分泌される傾向があります。というのも、ドーパミンはアドレナリンなどがつくられる前の段階の物質。だから快楽を得ようとしすぎて、過度なストレス状態の人が多くなっています。行きすぎると薬物依存やアルコール依存などで、日常生活が困難になる人もいますね。
もちろん人間は「快楽」や「脅威」を感じる生き物ですので、その状態自体が問題なわけではありません。しかし、「快楽」などの強い刺激を求めすぎるあまり、必要以上に「脅威」などのストレスを感じる生活習慣になってしまっているようです。
反対に「信頼ホルモン」と呼ばれているオキシトシンや「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンは、「満足」や「安心」を覚えます。ただ、「快楽」や「脅威」に比べると非常に刺激が少ない薄味。快楽を幸福だと信じている人には、もの足りない感覚です。現代生活では、この「満足」や「安心」といった幸せな状態を軽視して、心が穏やかになる時間が少なくなっている人が増えています。
では、「興奮」と「警戒」の時間が多い生活を改善する方法は? それは、環境を変えることです。今回挙げるのは、3つの環境。まず1つ目は生活環境。簡単なのは、ご自身の家の環境を心安らぐ環境にすること。具体的には、以前に紹介した通り、植物を多くする、自然の風景画などを飾る、暖色系の照明で暗めにする、物を最小限(必要な物と心地よい物だけ)にする、心が安らぐ自然な香りにする、自然音などの音源を流す、TV・PC・携帯端末をみる時間を減らす・・・・・・などなど。
特にここ数年はスマホを長時間眺める習慣で、精神的に苦しくなっている人が多いようです。以前のコラムでもお伝えましたが、スマホは世界の賢い人が作った合法的な麻薬。「快楽」や「脅威」を簡単に味わえます。スェーデン人の精神科医アンデシュ・ハンセンさんも、「スマホは最新のドラッグ(麻薬)」だといっています。使うと手離せなくなり、気づかないうちに依存症になっていると。その傾向がある人は、使用する時間帯を決めたり、使用時間を制限する設定に変えたりすることをオススメします。
そして、無料ニュースサイトやSNSを眺める時間を、骨太な本に触れる時間に変えて習慣化しましょう。1冊の本に向かう時間に変えただけで、安定した精神やご自身の能力が育っていきます。ちなみに電子書籍を読む人は、ブル―ライトをカットしたキンドル・ペーパーホワイトなど、書籍だけしか見ることのできない電子端末がオススメ。カラダの健康のために口から入れる食物に気をつかうのと同じように、ココロの健康のために目・耳・鼻から入るものにも気を使ってみましょう。
これらの環境は、最初に設定するときだけ意思の力が必要ですが、習慣にしてしまえば意志力は関係なく簡単に変えることができます。家の環境設定ができたら、実際に自然が多い場所で散歩したり、森林浴に行ったりしてみましょう。自然に触れる時間は、心が安らぐ時間になりやすいです。
そして、2つ目の環境設定は腸内環境。前回のコラムでも紹介しましたが、「第2の脳」と呼ばれる腸の状態も大切です。腸は心身両方の幸福感を調節する機能があります。実は脳の中で働いている神経伝達物質の多くは、腸でつくられています。
例えば、幸福物質と呼ばれるセロトニンの素は、腸で約90%も製造されています。だから腸の不調が、脳の働きに影響して感情が変化するようです。お腹の不調に伴って、過度なストレスを感じた経験がある人も多いかと思います。だからなのか「幸せか不幸かは腸の状態で決まる」と述べている専門家もいるほどです。
前回の通り、私たち現代日本人が不足しがちな水溶性食物繊維を多く摂るなどして、腸内細菌を増やして腸内環境を整える生活習慣が、脳内に「幸せ物質」を増やして心身の幸福度が高まることにつながります。
最後の3つ目の環境設定は人間関係の環境。「人間は社会的存在」といわれるように、人間が人間らしくいられるのは、他者との関わり合いがあるからです。全くの孤立状態では生きていけません。現代社会では、信頼できる家族と親友が5人いれば、「安心」や「満足」を感じやすくなるといわれています。
「社会最小単位のコミュニティ」といわれる家族の関係が良好だと、安心を感じる時間が増えます。ただ、家族とは向き合う時間が多くなるので、どんなに協力しても共同生活が合わない場合は、家族の形にこだわらないで別々に暮らした方がよいケースもあるでしょう。離れて暮らして、親友として付き合うこともできますね。
親友は、自分が親友と思っている人をリストに挙げて、その親友とつながる時間と機会を定期的に設けることを習慣化しましょう。例えば月に1回は連絡して、1年に1回は会うとか。
「親友が5人もいない」という人は、何か興味のあるコミュニティに参加するのもいいでしょう。没頭できる趣味があるだけでも生活の満足度は高くなりますが、共通の趣向をもった人が集まりやすい場に参加することで、自然と親友ができやすい環境になります。
また「興味あることがない」という人は、ボランティアがオススメ。ボランティアに参加することで孤独感が癒されて、他者とのつながりや喜びを感じやすいです。さらにその活動の中で、親友が見つかる可能性も高いです。
さらに新しい体験は、長期的な満足感につながりやすいです。新しい物を購入した満足感は短期間で消えますが、体験で得た満足感は長期間維持されやすいです。新たなコミュニティや未訪問地への旅行などの体験が、日々の満足度の高さにつながる傾向があります。
実際に旅行を年4回以上する人は、旅行しない人と比べて幸福度が7%も高いという研究結果もあります。現代で幸福度を高めるには、定期的に日常生活から抜け出して、未経験のことを体験することも大切なようです。
今回紹介した3つの環境は、当整体院の専門外なことなのかもしれません。しかしご相談があれば、サポートさせていただいています。仕事の悩み、人間関係の悩み・・・・・・など、これらの悩みは心身の調子につながっていますので、可能な限り私なりにアドバイスをさせていただいています。
さらに、私は皆さまに対して、「お客様」として接客していません。指導する立場ではありますが、親友のようにお付き合いさせていただいています。親友が少ない人は、よろしければ私を定期的に会う親友の1人に挙げてみてください(笑)。
現代では、「安心」できる時間を増やすことは重要ですが、バランスが大切。「安心」や「満足」だけ感じることが、幸せではありません。幸福な生活はストレスのない生活ではなく、日常的な害のない浮き沈みがある生活です。
バランス力学整体院では、「安心」を感じる時間を増やして健康な生活をするために、ご自身が無意識に避けていた現実に気づく「脅威」や、新たな気づきを得るという「快楽」も、一人ひとりが耐えられる範囲で体験していただこうと心がけています。
この体験に手軽さはなく、皆さまのご協力なしには成立しません。皆さまのカラダの状態を私がカンニングして、生活習慣の変化などをお互いに探して、改善案を提案させていただいています。今後も皆さまの生活の中で、「幸せ」を感じる時間を増やせるようにサポートさせていただきますので、引き続きご協力よろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗