2020年ばらんすだより
Vol.8 「なぜ『不幸な状態の人』が増えているのか?」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
年末を迎えますが、今年は1年が早く感じた人も多いかと思います。これは、自粛的な生活が関係していますね。日々同じことを繰り返していると、脳がその情報に慣れて処理速度が速くなり、時間があっという間に過ぎていると感じるようです。私も新たな出会いが少なかったためなのか、今年1年が早く感じました。
人生という時間をより有意義に感じるためには、自分にとっての「新鮮」を模索し続けることが大切。新しい趣味を探してみたり、新しい場所に訪れ新しい物に触れてみたりして、新鮮に満ちた日々を過ごすことで充実感を覚えやすいものです。私を含め1年が早く感じた人は自発的に行動して、自身の脳が慣れていない「新鮮」にもっと触れてみましょう!
さて前回のコラムでは、『幸せに生きる2つの方法』をお伝えしました。「幸せを求めるのではなく、幸せを妨げることを徹底的に避けたり排除したりする」、「快楽やいい気分でなく、豊かな満ち足りた意味ある人生を追求する」という2つの方法を挙げました。「カラダが不調になる習慣を変えることが、幸せに生きることにつながっていますね」、「こちらのプログラムで、幸せな状態を強く求めない方がよい結果を得られることを覚えました」・・・・・・など、今回もたくさんのご感想ありがとうございました。
さらに「慢性的な痛みの解決法はココでマスターしましたが、それ以外で不幸な状態を避ける具体的な方法ってありますか?」といったご質問も。その方法は、沢山あります。しかし、一人ひとり生活習慣が違うので、全員に当てはまる答えはありません。ただ現代生活での傾向はありますので、今回は不幸な状態の人が増え続けている原因をもとに、不幸を避ける方法をお伝えします。
前回のコラムでお伝えした不幸な状態の数々。その多くは、脳の不調です。これは頭が悪いのではなく、どんなに賢い人でも陥る状態です。では、なぜ私たち現代人は脳の不調が多くなったのでしょうか? 主因は、「動かない生活」です。現代の動かない文化が、文明病と呼ばれる慢性疾患を増やしたといえます。
人間の身体能力は他の動物に比べると劣るところが多いですが、耐久力は最もある動物といわれています。類人類に見られないアーチ形の足底、二足歩行と体長に対して長い脚、薄い体毛と発汗などの特徴から、「人間は走るために生まれてきた」という研究者もいるほどです。
私たち人間は長時間効率的に歩いたり走ったりして、複雑な動きや活動をすることで、脳の発達を促して進化してきました。逆にコアラのようにユーカリの木から動かない単調な生活を長年続けて脳が縮み、「動かない生活」に適応したケースはあります。しかし、人間は「動かない生活」に適応できていません(個人的には適応したくないです)。
例えば、認知症。多くの原因は老化ではなく、動かないことで脳の認知機能低下をもたらした結果だと、数々の研究でいわれています。つまり、運動することで改善されます。実際、高齢者が運動することで脳の海馬の容量が大きくなり、記憶力が改善した例は多いです。
では、どんな運動をすればよいのでしょうか? 効果的なのは、有酸素運動。ただ運動習慣のない人が、いきなり実行するのはキツイですね(笑)。逆に運動のしすぎも、脳の機能を低下させます。アスリートがオーバートレーニング症候群になり、うつや不眠障害などを発症することがありますね(一般の人がそこまで自身のカラダを追い込むことは、ほとんどないと思います)。
私が推奨するのは、自分のカラダに少し負担がかかる運動。筋肉だけでなく、脳にもストレスをかけることで、筋肉と同じように脳細胞は成長します。具体的には散歩。カラダが心地よい疲れを感じるまで動くことを習慣にすることが、脳の調子をよく保つことにつながります。
さらに「動かない生活」で私たちが陥るのは、自然欠乏症候群。現代生活は、いわば人間を自然から切り離されている状態です。私たち人間は自然の中で過ごすことで、不安や怒りといったうつ状態を抑えるように脳が働きます。また自然の中で遊ぶことで、様々な微生物に触れて自己免疫疾患と闘う力を授けてくれます。ですので、なるべく自然の多い場所で過ごして、走ったり歩いたりすると脳の機能が活性化し、幸福を感じやすくなります。
ただ現代生活、特に都市部では自然が足りない生活になりがち。しかし、対策はあります。例えば、部屋に多くの植物を置くこと。注意点は、許容量を超えると居心地の悪さを感じて、不安になることです。多くの人が自然の景色で気持ちがよくなるのは、見晴らしのいい場所。逆に視界が閉ざされた森の中では、不安を感じやすいものです。
これは人間が長く捕食者に食べられてきた動物なので、捕食者が潜む危険の少ない眺望が開かれた場所を本能的に好むからです。森の中で「クマがいるかも」と思っていると、くつろげませんね。ご自身にとって心地よい量の植物が部屋にあると、不安が少なくなり脳はリラックスします。
また、においも大切。鼻は脳と直接つながる経路なので、部屋に自然の香りを取り入れることで、脳がリラックスできます。効果的な香りとして、ヒノキやラベンダーなどが挙げられています。さらに音も大事。現在はテクノロジー依存症の人が増えています。TV・PC・携帯などの電源を切って、部屋にお好みの自然音をCDで流す時間をつくってもいいでしょう。
ただ、どれだけ部屋を自然に近づけても、本物の自然には敵いません。実際、都市に作られた自然環境に効果はあるものの、本物の自然と同等の効果は得られなかった研究結果もあります。研究結果をもとに、「1ヶ月に最低5時間は自然の中で過ごせば、心身の健康に自然が力を発揮する」、「1ヶ月に2~3回都会を離れれば、健康に効果がある」と提言する専門家もいます。
今年は感染症対策で自粛しすぎて、まさに「動かない生活」をしている人が増えています。感染症対策をしたうえで、心身の健康には野外で動くことが必要です。逆にいえば、野外で動くこと自体が、感染症の重症化対策にもなります。
ただし、運動や森林浴は楽しんでやるものです。最初は推進力が必要なため、自分自身で強制的に始めるケースもあるでしょう。しかし、健康やダイエットのためにやるのはつまらないですし、長続きしません。また森林浴も、精神的に問題を抱えた人に強制的にやらせると、効果が得られないという研究結果もあるほどですので、自らの意志で行うことが大切。
私は自宅から当整体院まで電車を使わずに歩いて、さらに自然が多い場所を選んで遠回りしています。また、定期的に大自然の中に身を置いています。自分のカラダを散歩に連れていき、自然の中で遊牧させている状態です。この習慣は、健康のためではありません。自分のカラダが喜ぶから続けているだけです。
とはいっても、苦手意識が強いことは避けましょう。森林浴が苦手な人は、海に行くのもいいでしょう。砂浜を裸足で歩いて、海を眺めながら風や潮の香りを感じてみるのも効果的です。でも、どうしても外に出たくない人は、まずは部屋に植物を。部屋に植物があると精神的に落ち着かない人は、風景画・自然写真などを飾るのもいいでしょう。今回紹介した中からできそうなことを1つ選んで、やってみることをオススメします。
「動く生活」で、自分が健康的な方向に進んでいる判断材料は、楽しいかどうかです。最初は楽しく感じているのかわからなくても、すぐにあきらめないことが大切。何か1つの変化が健康や幸せの引き金になって様々なことに影響し、色々なことが自然に変わってきたり、自らの意志で変えたくなってきたりするものです。
現代社会は、動かなくても簡単に快楽を得ることができます。刺激的な食事、衝撃的なスキャンダル情報・・・・・・。逆に言えば、簡単に快楽を得たい人が多いため、そのニーズに応えているともいえます。
バランス力学整体院では、そのような快楽はほとんど得られません。瞑想と同等の効果があるヒノキでつくられたヒーリングベッド、タッピングテクニックなど様々な方法で、脳の機能を活性化するサポートをさせていただいています。ありがたいことに「合理的な判断力や記憶力がアップした」「依存的傾向が少なくなった」など、色々な嬉しいご報告をいただいています。これも皆さまが行動したからこそ得られた変化です。
現代では何も変えないで、結果だけ求める傾向があります。例えば、ダイエット。「通うだけで痩せる」というサロン、「飲むだけで10㎏減!」という健康食品・・・・・・。冷静に考えればありえない話ですが、快楽中毒気味になっている人には、魅力的に感じてしまうようです。
そのような刺激がない当整体院を選んでいただき、しっかりご自身の現状と向き合い、喜ばしい変化を起こされている皆さまは、本当に素晴らしく、ありがたい存在です。2021年も1人でも多くの人が、より健康で幸せな日々を送れるようにお手伝いをさせていただきます。引き続きご協力していただければ、とても嬉しいです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗