2016年ばらんすだより
Vol.2 「腰痛・肩こりの改善で最も難しいこと」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
今年の桜は、既に満開を迎え、散り始めている地域もあるようですね。日本を象徴する花といえば桜ですね。一斉に咲き、一瞬にして散りゆく様は、日本人の心情に訴えかけるものがありますね。桜の花びらが散って、春風に乗って美しく舞う姿が、心に平和な瞬間を感じさせてくれます。また、一瞬はあっという間に過ぎてゆきますが、人生は一瞬の積み重ねであることを教えてくれている気もします。さらに、誰かに見られているとか他の目を気にすることなく、ただ自らの生命を全うする姿の美しさに感動させてくれます。私たち人間も一瞬一瞬をしっかり感じて、自らの生命を全うしていきたいものですね。
さて、当整体院はおかげさまで開院から12年目を迎えることができました。これも皆さまの心強い応援、そしてお友達・ご家族の方にもよくなって欲しいと大切な人をご紹介していただいたりしたおかげです。本当にありがとうございます! 今後も皆さまの健康と幸せのお手伝いを微力ながら続けていければ嬉しいと思っています。
10年以上にわたって体の不調を改善するお手伝いをさせていただいていますが、いまだに腰痛や肩こりなど生活習慣から起こる慢性的な症状は、原因不明の扱いにされて、改善することはとても難しいことのように感じている風潮があります。その影響からか、「このような痛みは治らない」「一生付き合っていくものだ」と信じている人もいるほどです。ただ、当整体院のプログラムを受けた方はご存知の通り、改善法はとても簡単です。誰でもできるようなことです。しかし、同時に私の経験から難しいと感じることもあります。それは、ご本人がなかなか改善する気にならない場合があることです。変化する気にならなかったり、症状がよくなることに強く抵抗されたりする場合もあります。これは、人間の脳には急激な変化を嫌う「安定化志向」という性質があるからです。安定していたい、つまり「変わりたくない」という性質が私たちの脳にはあるのです。
例えば、私は大金持ちになったことがありません。その原因の1つはスポーツと同じように、お金を稼ぐ能力が特別優れていないからです。そして、最大の原因は、私が心底お金に困っていないからです。実際、億単位の借金を背負わされることになったり、月末までに億単位のお金が必要という状況になったりした経験が私にはありません。お金で「生か死」を選ぶような状況に追い込まれると、本当に寝てなどいられず、1日2時間寝ればいいといった生活を続けて、順調に借金を返すことができたといった話はよく聞きます。ただ、一般的には「そこまで」はしたくないもの。なぜなら、決して大金持ちになったわけではないけれど、それなりに生活ができているからです。ですので、今のところ私は無理に自分の経済状況を大きく変えようと本気では思えないのです。
腰痛や肩こりなどの慢性疼痛も似ています。多くの人はこんな症状はなくなればいいと思っています。でも、そんなに困っていないのです。池袋駅から当整体院まで歩くことができないほどの症状の人は確かに困っていますが、ほとんどの人は痛みがあるけれど、それなりに生活できています。ですので、本気で痛みのない体に変わろうとは思えないのです。これはある意味仕方のないことです。しかし、そのままでは痛みのある生活を続けてストレスの多い日々を過ごすことになってしまう可能性が高くなります。
その対策として、当整体院では「よくなる準備」を大切に考えています。予め「よくなる準備」をしておくことで、変化を怖れない状態を作っておくのです。そのために、いま悩んでいる症状がなくなったら、自分がどう変わっているかを想像していただいています。ここで、症状に対する嫌悪感が強い方は、大きな目標を立てる傾向があります。「これだけ悩んでいるのだから、大きく変わってくれないと困る」、「この症状さえなくなれば、素敵な生活が待っている」と。また、生真面目な方も立派な目標を立てる傾向があります。「目標は無理だと思うくらい大きなものでないとダメ」といった考えが影響しているのかもしれません。
しかし、あまりにも現状とかけ離れたことを目標にすると、脳の「安定化志向」が強く働いて、かえって実現できなくなります。大きな目標を掲げる人や一見やる気満々にみえる人は自分の体に対して強い不満を持っている人が多いです。そのような人は簡単な改善法を行動に移せない傾向があります。また、行動して少し改善されても、脳の「安定化志向」から行動することをやめて、すぐに痛みのある生活に戻ろうとする方もいます。急激なダイエットをしてリバウンドする状態と同じですね。
ですので、当整体院ではこうなったら嬉しいな~といった程度に想像していただくようお伝えしています。するとほとんどの人は、変わるとちょっと嬉しい状況になるけど、今とそんなに変わらないことに気づきます。「症状は嫌だけど現状そんなに困ってない。でも、よくなったらちょっと嬉しいからやるだけやってみよう!」と。つまり「変わっても大丈夫!」という状態です。もっと言えば、「結果的に変わっても変わらなくてもどっちでもいいからやってみよう!」といった感じです。このように準備ができれば、変化を恐れることなく、安心して改善法を実行できます。どうなるかわからない、もしくはとんでもなく大きな変化が起こるかもしれないと想像していれば、よくなること、つまり変化することに恐怖感を覚えますので、「それなら今のまま変わらなくていいかな」と無意識に想って行動をしなくなります。
さらに、症状がよくなると困る人も少数ですがいます。例えば、本音では会社へ働きにいきたくない人が「痛みがなくなったら、会社に復帰する」といった本人にとっては苦痛な目標を掲げてしまうと、痛みがなくなることが不都合になるので、よくなる可能性がある改善法を実行しなくなります。もしくはよくなりそうになったら行動をやめて、「やったのによくならない」、「私は働く気満々なのに、この症状さえなければ・・・・・・」と嘆きがちです。このようなケースは、自分の本音に気づかないと自分に変化してもいいと許可することができない場合が多いです。実際、当整体院では改善する気がない自分に気づくことで、「よくなってもOK!」の状態になって、改善法を実行に移す人が多いです。
「体調をよくしたい」と思うのは当たり前ではありません。体調がよくなることにデメリットはありますし、不調であることにメリットもあります。自分が本当に何を求めているのか知ることが大切です。そのうえで、どの道を選ぶのかを決めるのは自分自身です。もちろん、これは健康に限った話ではありません。人生は、何を求めるか、何を選択するかで決まるとも言われているほどです。
私自身、今の仕事はご縁をいただいた人の体の悩みを改善したい気持ちで続けています。一般的な治療家の先生が持っている「皆さまの体の状態を良くするべきだ」といった義務感はありません。「何をすべきか?」、「どうあるべきか?」といった考えで行動していません。私が求めている「欲」を基に選択しています。「何がしたいのか?」、「どうありたいのか?」、自問自答して自らの想いに忠実に生きたいと思っています。
一般的ではない私の選択に共感していただいている皆さまの存在はとてもありがたいですし、励みになります。今後も皆さまがより健康になってより幸せを感じられるようになって欲しいという私の「欲求」に快くお付き合いいただければ幸いです。ご協力の程よろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗