2015年ばらんすだより
Vol.3 「現代人がハマる“刺激のワナ”」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
4月はとても寒い日が続いていましたが、一転5月は暑い日が続きましたね。いつもお伝えしていますが、天候についてはその時々の状態を受け容れていくしかありません。文句を言い続けても、私たちに天気を変える力はないと思います。例えば、楽しいピクニックの予定だったのに大雨になれば、天気を嘆くより映画観賞などに予定を変えて天候に合わせて行動する方が気分はいいですね。天候が変わりやすい季節だからこそ、より自然と調和していきましょう!
さて、前回のコラムで「カラダの痛みで悩む人が、なぜ増え続けているのか?」について書きました。様々な原因はありますが、情報環境の変化が大きく影響しているとお伝えしました。「そういえば、身体の痛みがあったときは、スマホばかり見ていた」、「ネットで健康情報をかき集めていたときは不健康だった」、「体調が悪かったときは、意味もなくTVをつけたりしていたけど、今はその習慣がなくなった」・・・・・・などなど、色々なご感想をいただきました。ありがとうございます!
皆さまも感じている通り、やはり情報過多になると、心身に悪影響です。それでも、どんどん情報に触れていくのは、前回のコラムでお伝えした通り、「不安」や「怖れ」からです。不安から情報をかき集める習慣が続くと、雑音――つまりノイズのある生活が快適だと錯覚をしてしまいます。なぜ快適なのか? それは、自分自身の気持ちと向き合わなくて済むからです。いま感じている不安などから目を背けて、自分の気持ちから逃げるためにノイズを入れてごまかしているのです。ノイズなどで心がザワザワしている状態を自ら望み、静寂でごまかしなく現実と向き合っている状態を避けているのです。ただでさえ聞けば聞くほど不健康になりそうな情報が溢れているなかで、さらにノイズを使って自分自身に対して不誠実に生きるという不健康な生き方になってしまう傾向があります。
そして、現代の情報は刺激的なものが多いです。その理由は刺激的でないと見向きもしない人が多いからです。この原因として、いわゆる快楽的な興奮状態が「幸せ」だと勘違いしている風潮があるからではないでしょうか。例えば、豪邸に住んで高級車に乗るのが幸せという情報をメディアでは刺激的に演出しています。もちろん、その状態になること自体は問題ないのですが、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、刺激を求める抑えがたい欲求が生じます。その結果、買い物、アルコール、薬、ギャンブル、そしてネットなどの情報に依存したり中毒的な状態になったりしているのです。そうなると、その刺激がないと不快になった気がするので、どんどん刺激を求めていきます。どんな高級車を買っても、一時的な満足しか得られず、また違う車が欲しい―「もっと、もっと」という状態です。近年この「もっと、もっと」という状態を情報で求めている人が多くなり、病気というほどではないけれど、病気に向かっている「未病」の状態の人が現代では増えているのではないでしょうか。
さらに、自分と向き合うことを恐れるあまり、積極的にノイズを入れることで、もう一人の自分を作っている人もいます。例えば、スピリチュアルに依存している人。今の自分はダメだけど、スピリチュアルな本当の自分は素晴らしいとか。これは自己否定の道具や現実逃避の口実にスピリチュアルを利用しているにすぎません。この状態が行き過ぎると、この現実世界はダメだけど、スピリチュアルな世界は素晴らしいと信じて、現実を否定する人もいます。私自身はスピリチュアルを否定していませんが、それ自体は現実の一部として捉えています。現実とは別の世界を作って、今の自分に素晴らしさを感じられないと、ずっと自分はダメだと思ってしまいます。同様に、今の生活に幸せを感じられないと、一時的な高揚感は得られても、自分がどんな状態になっても幸せを感じることはできません。「○○があれば幸せ」「他人(家族)がこうなってくれたら幸せ」と同じように、「自分がこうなれば」「世界が変わってくれれば」と言っている限り、その人自身は幸せや満足感を感じることが難しくなってしまいます。
様々な情報に触れて、「幸せ」なものは、刺激的で何か特別なことだと勘違いしている人が多いのではないでしょうか。これは、お風呂で考えれば分かりやすいです。お湯の温度が熱すぎる状態が「幸せ」、冷たいと「不幸」。このような刺激を求めているのです。しかし、ちょうどいい湯加減というのは、刺激が少ないです。つまり、「幸せ」という状態は刺激的ではないのです。日常的に感じられるものなのです。しかし、この心地よい「幸せ」な状態は刺激が少ないので「つまらない」と感じて、一時的な高揚感を得られないのであれば、不幸でもいいから刺激を感じたいという人が増えてきているように観じます。その代表的なことが自分を痛めつける行為です。今の自分がダメだと自己否定を繰り返して心を傷つけたり、自分の身体に痛みや病気を作ったりして、何とか刺激を得ようとしています。無意識にその刺激を手軽に感じようとして、多くの人が触れているのが不安や怖れを増幅するような情報です。その習慣が身につくと、さらに今の自分の状態をダメだと思うだけでなく、その刺激というノイズがなくなることが怖くなってしまいます。不安を感じていないと落ち着かない状態になってしまうのです。
やはり、「幸せ」を感じやすい体質になるには、自分の気持ちと向き合っていくことが大切です。純粋に好きなことを夢中でやっているときは幸せです。しかし、自分の気持ちをごまかし続けていると、何が好きなのか分からなくなって、外部から得られる情報に頼りがちになります。幸せを感じるためには、自分の心はいま何を感じているのか、無視したりノイズでごまかしたり常識的に頭で判断しないで、ちゃんと観てあげることが重要です。スピリチュアルなメッセージに傾倒するより、自分の気持ちを第一に考えてあげる姿勢が大切です。世間的に汚いと言われていることが自分の感情として湧いてきても、それも自分の一部だと認めて、受け容れてあげるのです。ごまかすことを続けていると自分に対して不信感でいっぱいになります。恐れることなく自分と向き合えば、自分に対する信頼、つまり自信につながっていきます。そして、自分の気持ちを理解する習慣が身につけば、今この瞬間を心地よく感じやすくなりますので、幸せを感じる状態が続いていきます。
その点、体の痛みは自分の気持ちを分かってあげているかどうかの指針になります。とても便利です(笑)。当整体院では、身体の痛みの解放を通じて、自身に対する信頼を深めていけるキッカケになっていければと思っています。
「体だけでなく、人生も好転する整体院」
そんなことを企んでいます(「知ってるよ!」という方が多いと思いますが・・・・・・)。
今後も私の自分勝手な企みに付き合っていただいて、さらに皆さまが健幸体質になっていただければ、とっても嬉しいです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗