2015年ばらんすだより
Vol.6 「いまを生きるシンプルな法則」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
今年は9月27日が「中秋の名月」いわゆる十五夜でしたね。さらに翌日の28日はスーパームーン。2日連続で月を眺めるイベントがありました。月は私たちのカラダと密接な関係があります。月に対しての地球の自転は24.8時間。人間の体内時計は24.8時間で月のリズムと同じだと言われています。当整体院のBGMは月のテンポを基に製作された音楽を流しています。この音楽と共鳴することでカラダが心地よくなるので、健康の助けになります。
しかし、太陽に対しての地球の自転は24時間。実生活のリズムは24時間です。カラダと社会の時間のズレを解消する方法として「朝起きたときに太陽の光を浴びる」が有名ですね。昔の日本人は日の出とともに手を合わせて笑顔でお天道さまに感謝のあいさつをする習慣があったそうです。これは世界でも珍しい習慣です。おそらく体内時計の知識などなくても、自然と調和しているカラダが知っていたので無意識に行っていたのでしょうね。
さて、前回のコラムで特に印象に残ったとご感想が多かったのが、「自分の『好き』とか『嫌い』いう感覚を大事にすることは、自分を大事にすること」、「『楽観主義』『悲観主義』ではなく、自分が感じた現実を大切にする『現実主義』。『肯定』『否定』ではなく、すべてを受け容れる『受容』」、この2点でした。やはり、今の日本の風潮には「好き・嫌いで判断するのはよくない」「前向きでなければいけない」といった思い込みが強いのでしょう。
しかし、常にポジティブであろうとすればするほど、自分はダメだと思う気持ちが強くなってしまいます。なぜか? そんなの無理だからです(笑)。とても不自然な生き方です。それにもかかわらず、日本では先程挙げたような思い込みを、常識的な考えとして義務感で押し付ける傾向がありますね。できないことを義務化して、できない自分に否定感を植え付ける。まるで、自己否定感を強化しているかのように・・・・・・。そして、最近同じように常識的な考えとして聞かれるのが「いまを生きる」というのがあります。これも「いまを生きなければ」という考えを自ら押し付けている人がいます。今回は、その「いまを生きる」という基本的な法則を私なりの見解でお伝えします。
過去は「変わらない」ので考えると後悔する。未来は「わからない」ので考えると不安になる。だから「いまを生きよう!」そんな言葉をよく聞くようになってきました。人間を除く動物は、いまを生きていると言われています。逆にいえば、彼らは今という時間に束縛されています。しかし、人間の意識は今だけでなく、過去や未来にも自由に行き来することができるのです。では、なぜ人間だけ自由なのか? 脳が発達したからです。その主なツールはなにか? 言葉です。私たちは言葉という道具を使うことで過去や未来に意識が行けるようになったのです。
例えば、景色を見たとき「この木々のバランス最高!」、絵画を鑑賞して「この色使いは芸術的だ!」、そう思ったり言ったりしているときは、いまから離れた状態です。今この瞬間を生きているときに言葉はありません。あえて言葉で表現すれば「あぁ~!」、「おぉ~!」といった感じです。つまり、時間・空間をこえた伝達力も持つ文字言語は「いま・ここ」から確実に離れますが、音声言語、その中でも特に人間以外の動物も使う非言語音を使っているときは「いま・ここ」にいる状態です。ですので、言葉の通じない国に行くと、言葉はニュアンス的なものになって身振り手振りを使って非言語で会話することが多くなるので、海外旅行で心身がとてもスッキリした経験がある方も多いかと思います。
しかし、言葉は大切です。言葉があることで人間は文明を発展させてきました。「空を飛びたいなぁ」、「遠くの人と会話したいなぁ」・・・・・・などなど。また、書籍などを通じて、この世にはもう存在しない人に会うこともできます。人間は脳の発達によって、過去を反省して、未来に向かって改善していけるのです。だからこそ、現代の文明社会を作ることができたのです。ですから「私はいまを生きていない」といって自分を責めるのはおかしなことです。言葉なしで現代の社会生活を続けるのは困難ですから。
では、なぜ「いまを生きよう!」というメッセージが巷で多いのでしょうか? いまを生きている時間が極端に少なくなっているからです。バランスが悪くなっているのです。なぜそうなったのか? ここまで読めば分かりますね(笑)。文字言語に触れる機会が多すぎるからです。特に近年はIT技術の進歩でインターネットが普及し、文字で会話する機会も増えてきました。さらにスマートフォン(スマホ)などでいつでもどこでも簡単に外部の言語情報に触れられる環境になり、その傾向が如実にあらわれてきました。もちろん便利になった部分もありますが、それ以上にスマホなどを使って、いま以外の時間に束縛されている人が多いように観じます。
ですので、以前もコラムでお伝えした通り、言語に触れない時間を創る方法として瞑想などに注目が集まっています。特にIT系の大企業で瞑想を取り入れていることは面白い傾向ですね。社員が文字言語に触れる機会が多すぎると、後悔や不安を感じる時間が多くなるので、幸福を感じる時間が少なくなります。そうなれば創造的な仕事ができなくなることを分かっているので対策しているのでしょう。
また、当整体院の「ヒーリングベッド・さよならストレスくん」を利用すると、瞑想状態になって言葉のない世界、つまり「いまを生きている」状態になります。ただ、静寂に耐えられずノイズを好む生活習慣を持っていた方の中には、物音や私や他の患者さんの声、さらには自分の頭の声に注意が集中して、最初は言葉のない世界に入れない人も一部います。しかし、慣れてくると外部の情報など全く気にならなくなる人がほとんどです。ベッド終了後の皆さまは、私を無視するかのように「ボー」とされています(笑)。しかし、言葉がなくても通じる世界とでもいいましょうか、まわりと一体化したかのように感覚は研ぎ澄まされています。
当たり前ですが、カラダは過去や未来に行き来できません。カラダは常に「いま・ここ」です。言葉のない世界は「いま・ここ」に束縛されてカラダと密着しています。自分の心身とまわりが切れ目なく溶け合っている感覚になりますので、インスピレーションに敏感になります。文字言語を持たない民族は動物的な勘が冴えていますね。日本でも天才的な人は、「いま・ここ」の時間が長い傾向があるように感じます。長嶋茂雄さんのように文字にすると何を言っているのかわからない人が多いですね(笑)。逆に言葉を使って認識活動をしているときは、溶け合っている感覚にはなりません。意識の活動は注意の集中や心身の緊張を伴っています。
カラダは維持を目指して、意識は自由を求めます。このバランスが絶妙だったので、人類は絶滅することなく、同時にゆるやかに進化もしてきました。しかし、現代は明らかに意識の自由を重視する傾向があります。維持を求めるカラダの声を無視し続けると、心身の緊張が高まって体調は悪くなります。逆にいえば、意識が脳を使って不調を作っているともいえます。脳が暴走している状態です。
その脳の誤作動的に作られる症状で、現代に多いのが腰痛・肩こりなどの慢性疼痛。また、意識の世界とカラダの世界の繋がりがさらに薄れてくると精神疾患にもなります。現代の私たち日本人は、自分のカラダから得られる情報より、外部の情報に触れすぎているのでしょう。慢性疼痛や精神疾患といった脳の不調が増え続けているのは、そのひとつの結果ともいえます。
たまには、文字言語から離れて生活してみましょう。特にスマホなどの携帯端末に縛られている人は見直しましょう。森林浴など自然に触れ合う、もしくは芸術鑑賞や言語のない音楽を聴く、当整体院のヒーリングベッドを活用するのもいいでしょう。情報が溢れている現代では、自分自身が心地よい方法で「いまを生きる」時間を増やしていく工夫が必要なのかもしれません。そうすれば、健康なカラダと幸福感を得やすくなっていきます。
池袋バランス力学整体院では、心身の健康のお手伝いをすることで、結果的に心身の幸福感や満足感をより観じやすい体質へと導いていければと想っています。実際「体だけでなく気分もよくなったので、仕事に不満ばっかりだった私が仕事で喜びを感じられるように変わった」「体の痛みが取れると同時にこだわりが少なくなって、人間関係もよくなってきた」・・・・・・などなど、嬉しいお声をいただいています。今後も同様の想いを持って精一杯サポートさせていただきますので、引き続きよろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗