2015年ばらんすだより
Vol.7 「日本人に『プラス思考』が合わない理由(ワケ)」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
年末年始を迎え、いかがお過ごしでしょうか? 大晦日にはお寺に、正月には神社へ初詣に行かれる方も多いかと思います。ただ人気スポットは混み合っていますね。人混みが苦手な方は、今年中にお礼参りに行かれることをオススメします。今年1年を無事に過ごせたことなど感謝の気持ちを伝えるのです。お参りの仕方については、以前のコラムでお伝えした「気分が良くなるお参り法・その2」をご参考にしてみてください。
さて、前回のコラムでは、私なりの「いまを生きるシンプルな法則」をお伝えしました。人間の意識は今だけに束縛されることなく自由なのに、「いまを生きなきゃ!」と必要以上に自分にストレスをかけている人が増えてきているように感じます。さらに、私たち日本人が当たり前のように自分にプレッシャーをかけているのは、「ポジティブに考えないといけない!」という傾向が多いようです。過度な「プラス思考」の弊害に関して、このコラムでも何度かお伝えしましたが、今回はより詳しくお伝えしていきます。
いつもネガティブに考えていると私たち人間は苦しくなります。だから「すべての物事をポジティブに捉えよう!」というような言葉が常識のように溢れています。しかし、今の日本では、逆に「プラス思考」で苦しんでいる人が多くなっているのが現状です。物事をプラスに考えて上手くいっている人は少数です。これには大きな理由があります。それは、私たち日本人の遺伝子です。1996年のヴェルツバーグ大学の発表では、実に98.3%の日本人が悲観的になりやすい遺伝子を持っているとのことです。他の研究でも97%が不安遺伝子を持っているとほぼ同じような結果が出ています。つまり、日本人で悲観的な遺伝子を持たない人は1.7%、100人中2人ほどなのです。ちなみに同じ研究でアメリカ人は32.2%、ほぼ3人に1人の割合で悲観的な遺伝子を持っていない人がいます。日本の20倍近い割合です。
そもそもこの「プラス思考」という考え方は、欧米の自己啓発業界がつくり出したものだといわれています。日本に欧米から持ち込まれた「プラス思考」は最高の考え方だというメディアなどの情報で、知らず知らずのうちに「ポジティブに考えると人生がよくなる」と信じる人が多くなったのかもしれません。しかし「プラス思考」は遺伝子的に日本人には合わない考え方だったのです。
ですので、私たち日本人が「プラス思考」にハマると苦しくなりやすいのだと思います。そもそも遺伝子的に「プラス思考」が自然にできる人は、物事を勝手にポジティブに捉えているので努力はしていません。元々ネガティブに捉える傾向が強い多くの日本人が、物事をポジティブに捉え直そうとすれば疲れるのは目に見えています。遺伝子的に難しいことをやっているから上手くいかないのに、プラスに考えられない自分を責めたりする人もいます。そして、心の危険信号ともいわれる慢性疼痛を持つ人が増加し、さらに精神疾患になる人も年々増え続けています。
特に「プラス思考」を推奨していたアメリカでは、「ボジティブシンキング病」といわれるくらい、物事を無理にプラスに考えて精神疾患を抱える人が増えています。日本人の割合とは違いますが、アメリカ人も67.8%、およそ3人に2人の割合で悲観的な遺伝子を持っていますので。
先述した研究結果では、アジア人は悲観的になりやすい遺伝子を持つ傾向があるようです。私の感覚では、西洋は「太陽」、東洋は「月」のイメージです。「太陽」は大きく、明るく、暖かく、正面から包み込む感じ。「月」は優しく、静かに、繊細に、後ろからソッと抱きかかえてくれる感じです。太陽は「愛」であり、月は「慈悲」です。私を含む多くの日本人は「愛」ってピンときません(笑)。逆に西洋人には「慈悲って何?」という感じではないでしょうか。宗教的にもキリストは「愛」を説き、釈迦は「慈悲」を説いたと言われます。もちろん完全に分けることはできませんが、遺伝子的に自然とそのような考えになったのかもしれません。
悲観的になりやすいアジア人の中でも、最も悲観的になりやすい遺伝子を持つ割合が多いのは日本人です。世界一です(笑)。世界一、悲観的に感じる遺伝子を持っているので、生命の危機に敏感だから世界一の長寿国になったのかもしれません。さらに、不安に敏感だからこそ、様々な対策をした結果、世界一安全な国と言われるまでになったのかもしれませんね。
実際、「プラス思考」で物事がうまくいくという科学的な根拠はありません。例えば、災害の対策を行う際、ネガティブに最悪の事態を想定することはとても大切なことです。これを無理にポジティブに考えて「きっと大丈夫!」と現実逃避していると悲惨なことになる可能性が高まります。目標達成率が高い人は、前向きに行動しながら、ネガティブなことも想定して受け容れることのできるタイプだというデータもあります。ネガティブといわれる困難や問題にも向き合える勇気を持つことが大切です。
結局「プラス思考」でも「マイナス思考」でもなく、大切なのは「受容」です。自分がいま感じている気持ちや何を望んでいるという欲に自ら気づいてあげることが重要です。ココロとアタマのズレをなるべく少なくしてあげることです。このズレが慢性的な体の痛みの原因の1つにもなっています。このズレを解消するには、自分の気持ちを赤ちゃんのように扱うことです。一般的に赤ちゃんの頃は目的が達成されるまで泣き続けます。さらに無視するともっと激しく泣き叫びます。そして、目的を叶える前に優しく抱きしめてあげると安心して泣き止みやすいです。
慢性的な痛みも似ています。気持ち(ココロ)が伝わるまで脳(アタマ)に痛みでサインを送ります。さらに、「プラス思考」や「気にしない思考」で自分の気持ちをごまかしていると、「わかって!」ともっと強い痛みで訴えてきます。そして、自分の気持ちをわかって優しく受け容れてあげると、痛みは治まりやすくなります。「辛かったんだね」「本当は嬉しかったんだね」と。アタマが親でココロが赤ちゃんの関係です。赤ちゃんは親に見守ってもらえているという安心感があれば、自然と未知なるものに好奇心を示して豊かに成長してゆきます。ココロも「悲しい」「嬉しい」といった気持ちを否定されずにアタマに見守ってもらえていると、無理なく機嫌よく過ごせて成長しやすくなります。
ココロとカラダは繋がっていますが、ごまかしが巧くなって、アタマとの繋がりがバラバラになりがちな人が、現代の日本には多くなっていますね。俗に言う「頭でっかち」の状態です。当整体院では体の不調を通じて、ココロとアタマ、カラダとアタマのズレを整えるお手伝いすることで、ココロの成長やカラダの治癒力を高めることに繋がっていけば嬉しいと思っています。
そして、今年も私は素敵な出逢いに恵まれました。私自身いまの能力でできる限り精一杯お手伝いさせていただきましたが、私の未熟な部分に気づかせていただいたり、成長させていただいたり・・・・・・。私にとって色々なことを様々な形で教えてくださる皆さまには本当にお世話になりました。また、皆さまから温かい励ましなどをいただき、本当にありがとうございました。
今後も池袋バランス力学整体院は、さらに心康らかで体健やか(健康)な状態で皆さまが生きていけるキッカケになれるよう精進して、進化していきますので、来年も引き続き応援をしていただければ、とても嬉しいです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗