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2011年ばらんすだより

Vol.8 「避難三原則から学ぶこと」

2011-10-28

 こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。

 急に冷えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?私は日本の四季が好きですが、そのなかでも特に秋が好きです。秋は純粋で本能的な欲を観じやすい季節だと思っています。食欲、睡眠欲、学習欲、運動欲、性欲……などなど。ここ何年かは読書欲が強くなっていますが、今年はどんな欲が出てくるか楽しみです。我欲ではなく、純粋な欲に従うと間違いがないので、自然に湧いてくる欲を満たすよう身を任せたいと思っています。いま、皆さまはどんな欲を観じていますか?

 2万人以上の死者・行方不明者を出した東日本大震災。あれから半年以上が経ちました。その中で数少ない良い話題として挙げられているのが「釜石の軌跡」。岩手県釜石市立の14の小・中学校全校では、学校管理下になかった5人を除く児童・生徒約3000人が全員無事でした。この「釜石の奇跡」はなぜ起こったのか?それは防災のプロによる防災教育を受けていたからと言われています。釜石市内の小中学校での防災教育で、特に重きを置いたのが“自然に向かい合う姿勢”を子供たちに与えるということ。そして彼らに伝えたのが、「避難三原則」。このお話は前回の手紙でお伝えしたルールや国などに依存したりして他人に支配されるのではなく、自分の行動・人生に責任を持つことの大切さが伝わってくると思います。では、群馬大学大学院・片田敏孝教授が伝えた「避難三原則」を以下に引用させていただきます。

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◆避難三原則 片田敏孝(群馬大学大学院教授)

①想定にとらわれるな!
端的に言えば、ハザードマップ(災害予測図)を信じるなということである。最初に取り組みを始めた鵜住居(うのすまい)小学校は、マップ上では浸水想定区域外にあったため、子供たちは「自分の家は安全だ」「この学校も大丈夫だ」と安堵していた。しかし、災害時に非常に多いのは、マップの想定に基づいた行動を取って人が亡くなるケースである。そこで私は子供たちに、「ハザードマップはあくまで想定にしかすぎない。相手は自然なのだから、どんな想定外のことも起こり得る。先生が大丈夫と言ったから安全だ、といった受け身の姿勢でいては絶対にダメだ」と伝えた。

②その状況下において最善を尽くせ!
ここでは、今回の地震発生時、釜石東中学校の子供たちが取った行動を紹介したい。3月11日午後2時46分、約5分間にわたる激しい揺れが続いた。教頭先生が校内放送で避難を呼び掛けようとしたが、停電によって音が流れない。しかし、部活動をしていた中学生は、すでに揺れている最中から自らの意思で校庭を駆け出し、隣の鵜住居小学校に向かって「津波だ。逃げるぞ!」と大声で叫んでいた。児童たちは当初小学校の三階に避難していたが、日頃から中学生と一緒に避難する訓練を重ねていたので、その声を聞いて一斉に校舎を飛び出し、中学生と合流して避難を始めたのである。そして彼らは予め指定してあった避難所に辿り着いた。しかし避難所の脇にある崖は崩れかけており、海へ目をやると津波が防波堤に当たって激しい水しぶきを上げている。この様子を見たある男子生徒が「先生、ここじゃダメだ」と言って、さらにその先にある施設へと移ることを提案。無事全員が移動し終えたわずか30秒後、最初にいた避難所は津波にさらわれることとなった。当初、学校は津波に浸からないものとされていたが、校舎の三階に車が突き刺さっているほどだから、屋上まで冠水したことは疑いがない。もし想定にとらわれて、学校や最初の避難所にとどまっていたとしたら、命を守ることはできなかっただろう。

③率先避難者たれ!
もし“その時”がきたら、他人を救うよりも、まず自分の命を守り抜くことに専心せよ、という意味である。今回の津波でも、大声を出しながら全力で駆け出した中学生たちが児童を巻き込み、大挙避難する彼らの姿を見て、住民の多くも避難を始めた。子供たちは文字どおり率先避難者となり、周りの大人たちの命をも救ったのである。

ただし、この三原則で述べられていることは多くの子供たちにとって受け入れ難いものでもある。それまで先生の言うことや教科書に書かれてあることは正しいと教えられてきたのに、資料を配られて、いきなり「この地図を信じるな」と言われる。混乱を招いてしまうかもしれないが、想定にしかすぎない資料を見て安易にそれを鵜呑みにしてしまう人間の弱さに気づかせ、災害に向かい合う姿勢というものを持たせるのである。「率先避難者たれ」も、それまで教わってきた倫理観からすると大きく逸脱しているかもしれない。自分だけが助かればよいのかという捉え方になってしまいがちだからだ。

そこで私は、子供たちにこんな話をした。「人間はいざという時に、逃げるという決断がなかなかできないものだ。例えば、非常ベルが鳴った時に逃げ出す先生を見たことがあるか。ベルの意味合いは分かっていても、『ええ、本当に?』と、誰もその情報をすぐには受け入れようとはしない。皆が疑心暗鬼になってはいるが、いまがその時だとは思えずに、周りをキョロキョロ見ている。“初着情報の無視”とも言うべきこの人間の習性を打ち砕くには、同じことを意味する二つ目の情報を与えなくてはいけない。だから君が逃げるんだ。君が率先避難者になれ。その状況を打ち砕くのは君なんだ!」すると生徒の表情が少し変わる。

「でも想像してみてほしい。非常ベルが鳴った時、最初に部屋を飛び出していくには非常に勇気がいる。何だか弱虫でおっちょこちょいのようだし、大抵は誤報で、皆から囃し立てられながら再びここへ戻ってこなくてはならない。けれども、実際に災害が起こると、そういう状況の中で大勢の人が亡くなっていく。君自身が逃げるという決断をすることで皆を救うことができるんだ」そして、逃げるという行為がいかに知的で、自分を律した行動であるかを言って聞かせるのである。

このように、彼らには地震や津波の“知識”を与えたわけではなく、防災へ向かい合う“姿勢”を与える教育を行ってきた。この先どんな事態が襲ってきたとしても、自分の最善を尽くし、生き延びる姿勢を持った子であってほしい。
 
そして今回、釜石市内にある14の学校の子供たちがそれを見事に実行してくれたおかげで、約3000人の命が守られることになったのである。

引用ここまで。
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いかがでしたか?訓練の内容は当然ですが、この子供たちが災害時にしっかり教えを実践したことは素晴らしいですね。やはり、ルールを守ることはいいのですが、自分で判断して責任を持つ代わりにルールに依存する(支配される)ことはある意味危険ですね。例えば、交通ルールに依存すると青信号だったのに事故に遭うということが起こります。日本人が国やルールに依存する傾向があるのは、片田先生も言われているように教育に問題があるようですね。おそらく今後、日本の教育も依存させる形から自立を促す形に変わっていくと思います。

 私が携わっているこの治療業界はまだまだ「依存したい人」と「依存させたい人」でお互い依存し合っているのが一般的です。私のように「私はアドバイスや治癒するお手伝いは出来ますけど、あなたの体を治せません。出来る限り協力はしますが、自分の体は自分で治してください。」といった考えは非常識かもしれません。片田先生の言葉を借りると、学校の先生や教科書で教えられていることではないです。しかし、池袋バランス力学整体院に通っていただいている皆さま、特に整体院等いろんな所に通って結果が出なった方は共感していただいています。本当にありがたいことです。
 私自身、日々成長するよう努めてはいますが、もしかすると私が健康のお手伝いをする代わりに、皆さまが未熟な私を成長させるためにお手伝いに来ていただいているのかもしれませんね。
今後も変わらぬ応援よろしくお願いします(笑)。

 『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』

 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

池袋バランス力学整体院
院長 山本浩一朗
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