Vol.6 「自分の価値観に合った目標設定のコツ」
こんにちは! 池袋 バランス力学整体院の山本浩一朗です。
9月に入っても暑い日が続いていますね。今年の「中秋の名月」は、例年より遅く10月6日。中秋の名月の時期には、暑さがおさまり秋の気配を感じ始めることが多く、特に夜は涼しくなる傾向があるといわれているので、涼しくなるのは10月からかもしれませんね。天候をコントロールできない私は、「こうなってほしい!」といった欲を持っても疲れるだけなので、自然の流れに任せて、その流れに合わせていこうと思っています。
さて前回は、「心身の健康に悪影響を与える日本人の価値観」をお伝えしました。「以前は『人に迷惑をかけないで我慢して生きる』が無自覚に大切にしていた価値観だったので、心身が不調でした」、「ココに来る前は自分がマジメな人間だと思い込んでいたので、自分が人に迷惑をかけている自覚がなく、『無知の無知』状態でした」など、ご感想ありがとうございました。また、「自分の価値観を目標に落とし込む方法は?」といったご質問も。今回はその際にお話した内容をシェアさせていただきます。
私たち人間は、自分の行動はコントロールできるけど、感情や結果については基本的にコントロールできないものです。価値観を持つことで、自分の人生で何を支持するか、継続的にどんな行動をするかを決めることができます。価値観は好みなので、弁護も正当化も不要です。自分のコントロール下にあるものだけにフォーカスする習慣があると、自信が持てるようになります。価値に沿って行動することは自分に忠実であることなので、満足感や自分への信頼感が高まっていくから。
反対に「人に迷惑をかけない」など、非現実的なことにフォーカスする習慣があると、価値に沿わない行動をしてしまうので、自分への信頼、つまり自信を失いやすいです。さらに、自分が迷惑をかけたことを他人のせいにすることが習慣になって、「自分は何も迷惑をかけていない」と思い込んで、生きづらくなっていくこともあるでしょう。ですので、社会の常識に従ったりして自然に自分で選んだ価値観を持てない傾向がある人が、意識的に自分で考えて選んだ価値観を持って生活することで、人生の質が向上しやすくなります。
ただ、価値観というものは抽象的。自分が持っている価値観を理解して、現時点で納得できる行動可能な価値観にアップデートしたら、「そのために自分は何がしたいのか?」と自問してみましょう。そして、その回答に対して、「なぜ?」と問いかけることを繰り返しましょう。「『なぜ?』を5回繰り返せ」というのは、ビジネスの世界で特にトラブルの真因を追求する際に唱えられていますね。そこで定めたことを実現するために、必要だと思う具体的な行動目標に落とし込めばいいです。
先日行われたMLB殿堂入り表彰式典で、元野球選手イチローさんのスピーチも参考になると思いますので、その一部を紹介します。「野球は私に何が大切かについて価値判断することを教えてくれた。私の人生観と世界観を形成するのに役立った。また、夢は必ずしも現実的なものではない。しかし、どうすれば実現できるかを深く考えれば、目標は達成可能なものになる。夢を見るのは楽しいが、目標は難しく挑戦しがいのあるもの。夢を目標にするためには、それを達成するために何が重要かを正直に考えなければならない。真剣に取り組むなら『何をしたいか』というだけでは十分ではない。達成するためには何が必要なのかを厳しい目を持って考えなければならない」。
常識的な価値観を持つマジメな人の特徴として、責任を持ちたくない傾向があります。自分で決めた価値観を採用すると、責任が発生してしまうから。ただ「責任≒自由」といわれるように、責任から逃れていると、不自由になります。社会の常識的なことを価値観にして縛られていた人には、次のイチローさんのスピーチでの言葉が参考になると思います。「チームのためにできる最善は、自分自身に責任を持つこと。自分自身に責任を持つということは、自問自答するということ。例えば、『なぜ打てなかったのか?』と。自問自答するとき正直な答えは、言い訳ではなく、もっと自分が上手くできたことが見つかるから。自分自身に責任を持つことで、チームメイトを支えることやファンを失望させなくなることに繋がる」。つまり責任を持って自分と向き合うことが、結果的に周りの人をサポートし、喜ばせることになりやすいということです。
ただイチローさんのように、目標に対してストイックに行動できる人は少ないと思います。個人的には、「抽象的な価値観を自覚して、あとは湧いてきた欲に任せて具体的な目標を持って行動する」といった感じでいいかなと。トップアスリートの多くは欲が強い傾向にありますが、多くの人は強烈な欲がなかなか湧いてきません。ですので、無理に欲を作るのではなく、その時々にご自身の価値観に基づいて湧いてきた欲に任せて、具体的な目標を作ればいいと思っています。先述した通り、基本的には感情はコントロールできないものだから。
実際、「現実的な高い目標を作って、それに向かって努力する」といった方法論は、とても効果が高いです。未来をこじ開ける感じで、苦難を乗り越えて成功するといった美談になりやすいです。川を必死に泳いで、自分が泳いだところだけ流れができる感じ。ただ多くの人にとっては難しい傾向があるので、強烈な欲が湧いてこないときは、 自分で泳いで流れを作るのではなく、既に存在する「川の流れ」をよく見極め、その流れに乗っていく感じでいいと思います。 既にある「流れ」に乗るだけですから、努力がいらないどころか、努力がかえって逆効果になりやすいです。
例えば、「サナギ」が「蝶」になるというのは、自然な流れ。しかし 「サナギ」が目標に向かって努力をしたら、「サナギ」は「蝶」を想像できないので、目標は「一番大きなサナギ」とかになってしまいそうですね。その目標を達成するために努力をすればするほど、自然な流れから外れて苦しくなるでしょう。いわゆる「ムダな努力」です。前回の「迷惑をかけない人」といった非現実的な目標を目指して努力すればするほど、辛い人生になるのと同じ。 自然に任せた方がラクだし、流れにうまく乗れれば、とてもスムースな人生になっていくでしょう。
先述したご自身の価値観に基づいた具体的な目標を作るために「そのために自分は何がしたいのか?」と自問しても何も欲が湧いてこなかったら、無理に目標を作らずに自然の流れに乗って放っておけばいいと思います。また、年を重ねていくと肉体が変わっていくのと同じように、価値観も変化していくのが自然です。好成績を残していたイチローさんが毎年のように打撃フォームを変えていたように、1年毎にご自身の価値観を見直してもいいでしょう。
バランス力学整体院では、症状改善後の現実的で具体的な「なりたい自分」のイメージができたら、その具体的なことは「できなくてもいいし、忘れてもいい」とお伝えしています。自分が行きたい方向さえ理解していれば、「症状が改善したときの生活は、こんな嬉しい感じかな」といったぼんやりとした感覚でいいと。その方向に向けば、あとは当整体院の簡単なプログラムを実践するだけ。その流れに乗っていただければ、スムースに結果が出やすいです。
ただ、流れに乗るのに時間が掛かる人もいます。「こんなに苦しんだのだから、簡単に症状が改善すると仮病みたいに思われるから困る」、「自分のカラダは自分が一番知っているから、自分なりの方法で改善したい」・・・・・・。こんな状態だと、簡単なことでも実践するにはとても努力が必要になります。また「なりたい自分」のイメージがなく、方向も定まらない傾向があります。だから実践できないケースがほとんど。
しかし、体験コースを何回か重ねていくうちに、ご自身が簡単なプログラムメニューを実践していないという現実と向き合えるようになって、「このままだと改善するわけがない!」と気づかれて、行動が変わるケースがあります。「とにかくプログラムをそのまま実践する」と。その後メニューを実践していくことで、自分の気持ちが理解できるようになって、「なりたい自分」のイメージができるようになる人が多いです。このように様々な形で、当整体院の「症状改善プログラム」という流れに乗っていただいて、多くの人が結果を出されています。
バランス力学整体院の価値観は、「カラダの悩みを2人3脚で根本的に解決することで、あなたの生活の質と幸福度の向上に貢献し続ける」。ただ幸せな状態を常にキープすることは、人間には非現実的。その時々に感じる苦しみや不幸に対して誤魔化すことなくしっかり向き合うことで、喜びや幸福を感じやすくなっていくものです。当整体院ではカラダの不調という苦しみの根源になっている事柄に、一人ひとりに合わせて無理のない範囲で現実に向き合うサポートを心がけています。
しかし、失敗することもあります。これは、私が「無理のない範囲」を見誤ったとき。「よくなってほしい」という私の欲が、患者さんの欲を上回りすぎているケースが多いです。そのようなときは当整体院の価値観に沿ったうえで、患者さんの欲に歩み寄って調整するように努めています。このような失敗があるにも関わらず、「楽しく過ごす時間が劇的に増えた」、「悲しみに向き合えるようになったら、喜びを感じることが多くなった」といった嬉しいご報告を多数いただいているのは、本当にありがたいことです。
今後も皆さまがバランス力学整体院の価値観に貢献していただけるように、私自身が精進し続けていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
池袋 バランス力学整体院
院長 山本浩一朗