Vol.7 「目的の探し方と目的がないときの過ごし方」
こんにちは! 池袋 バランス力学整体院の山本浩一朗です。
11月に入り、やっと秋めいてきましたね。「○○の秋」といわれるくらい秋は意欲が高まり、様々な収穫を得られる季節ともいわれています。この秋に「○○したい」というご自身の素直な欲に従って、積極的に行動するのもいいでしょう。ただ目的もなくコロコロ変わる欲に身を任せると、心身への負担になりますのでご注意を!
さて前回は、「スポーツから見える日本人の変化」をお伝えしました。「日本では規律を守る人がマジメで、規律を無視する人が自分勝手な風潮がありますが、規律の中で自由に行動する主体性が高い人もワガママに見られがちですね」、「目標を育てる作業が大切だと痛感しました」など、ご感想ありがとうございました。また、「組織だと規律を守ることが目的になる人が多いですね。目的と手段が入れ替わることは他にもありますか?」といったご質問も。今回はその際に話したことなどをお伝えします。
一般的に「目的」とは目指す事柄。そして、その事柄を実現する行為・方法が「手段」になります。何かを成し遂げようとするとき、目的と手段はセットになっていて、多くの場合「目的を実現するために、手段をする(手段がある)」という形になります。前回お伝えした日本人に多い「規律やルールを守る」というのは何かを実現するための手段ですが、目的に替わってしまうケースが日本人に多い傾向があるようです。
そして法律やルールを守ることが目的になる人は、苦しくなりがち。例えば、「治安を保つ(目的)ために、法律(手段)を作る」、「交通安全(目的)のために、交通ルール(手段)がある」。交通安全が目的であれば、信号は安全のための単なるツール。ところが、信号を守ることを目的にしてしまうと、全員がルールを守れるわけではないので、事故に遭う可能性が高まります。ご自身の安全のために、しっかり確認することを重視した方がよいでしょう。さらにルールを守っていない他人を見ると、イライラしやすくなります。自分が正義で相手が悪といったように争う気持ちが必要以上に高まりやすくなります。
またダイエットの目的は、「美しいスタイル」「生活習慣病の予防」などが挙げられます。それがいつの間にか「痩せる」「減量する」といったことが目的に変わりやすいです。痩せるの「痩」の意味は、「やせこける」。部首は病気に関係する漢字に多く用いられる「疒部(やまいだれ)」。あくまで目安にしかならない体重にとらわれすぎていると、病気に向かっていく危険性もあります。
さらにダイエット方法を行っていることやダイエットの施設に通うこと自体が、目的になる人もいます。そうなると、努力している自分に酔ってしまいがち。「結果は出ていないけど、私は頑張っている」という状態を肯定したり、魔法のダイエット方法を探して様々な施設に通ったり、ダイエット商品のショッピングを繰り返したりして、結果的に何も改善がなかったということになりかねないです。それでも「ダイエットをする(施設に通う)」という目的は達成されていますので、満足されているケースが多いです。
このように目的と手段が入れ替わる原因の1つとして、目的を曖昧にしすぎていることが挙げられます。例えば、ダイエット。目的として、「運動して体重を落とす」が浮かんできたとします。ただこれは手段ですので、目的としては適切ではありません。「体重を落としたい理由」を深堀する必要があります。深堀する方法の1つとして、「なぜ?」と自問を繰り返す方法があります。この例ですと、「体重を減らしたいのはなぜ?」。その答えが、「近しい人にキレイに見られたいから」だと、「キレイに見られたいのはなぜ?」。「自分のカラダに自信を持ちたいから」→「なぜ?」。「自分のカラダに自信を持って生活することが、私にとって幸せの1つだから」といった感じです。
このケースだと、「今より幸せを感じて生活するために、自分のカラダに自信を持てるキレイに見えるような体型になる」ことが目的だと分かります。すると、ダイエットという手段自体が不要な場合もあるでしょう。そもそも肥満体型ではないし、自分以外は誰からも太っていると思われていない状態だと、近しい人にキレイに見られる可能性が高いのは、ファッションやヘアメイクを変えることかもしれません。もしそうであれば、体重を減らすことはキレイの反対で肌にハリがなくなったり、不健康になったりするリスクも考えられます。
また「-10㎏」といった数値目標など具体的な目標だけを設定していると、「目標疲れ」の状態になりやすいです。「目標」と「目的」の違いをあえていえば、目標は単に目指している状態、目的は目標に意味や意義がプラスされた状態ともいえます。意義とは「何のために」という目指す理由であり、その行為に自分が見出している価値や動機のこと。目的と目標の関係を簡潔に表すと、「目的=目標+意義」。目標だけだと達成に意義を感じていないため、「目標疲れ」の状態になって目標達成をあきらめやすくなります。このような経験を何度も繰り返すと、ご自身を信頼することができなくなる、つまり自信がなくなり、チャレンジをする気力がなくなりやすいです。
バランス力学整体院の「慢性的な体の悩み改善プログラム」では、改善後の状態をイメージして、目的をみつけるサポートをさせていただいています。特に様々な治療院に通ってきた人は、「何を聞いているの?」といった反応になりやすいです。「ココに来たのは症状を改善するため。その後は関係ない」といった感じ。外科的な問題であれば手術などで改善すればいいので、そのような反応になることは理解できます。しかし慢性的なカラダの悩みの改善には、生活習慣を変えることが不可欠なケースがほとんど。目的なく生活習慣を変えることは困難です。
例えば、私も目的なく、つまらない論文を読むことはできません(笑)。当整体院の価値観「カラダの悩みを2人3脚で根本的に解決することで、あなたの生活の質と幸福度の向上に貢献し続ける」という目的があるから、科学的根拠が高い論文を読む習慣が定着しています。長年の生活習慣を変えることが難しいのは、その生活習慣で死なないで生きているから。本能的には変えたくないのです。しかし人間は現状を変える目的や欲を持つことで、自分を苦しめている生活習慣を変えられるのです。
ただ、今は何も目的なく生活しているという状態の時もあります。この状態になっているときは、今の社会や生活にほぼ不満がない状態。今の生活に満足しているから、何か変えたいという目的を持てないのです。そんな状態の時は、不満がない普通の生活にありがたさを感じる、つまり感謝することを意識すると幸せを感じやすくなります。ただ不満がない生活は刺激が少ないので、ニュースや他人のSNSなどを見て不満を探す人もいます。ご自身が満足していることに気づくこともなく、ただ文句や愚痴を言って自ら幸福度を低下させて、苦しくなっていきます。
このような状態に陥らないために、自分がどのステージにいるかを認識することをオススメします。人は「問題→変化→感謝」の3つのステージを繰り返すことによって、成長していくともいわれています。何か「問題」が起こったとき、その「問題」が問いかけるのは、自分自身の価値観やものの見方。「問題」が大きければ大きいほど、自分の根源的な価値観を問われるものです。自分にとって大きな「問題」ほど、ご自身が慣れたやり方では解決しないものだから。
そうした「問題」を前にしたとき、問われるのです。「今までの習慣を変えずに進むのか?」 「それとも変わるのか?」と。「問題」と向き合ったときに感じられるのは、「癒し」。「問題」が大きければ大きいほど、「癒し」も大きくなります。 「癒し」を感じて「変化」を起こすことを選択すれば、目的を持って行動します。目的を達成すれば、「問題」が解決した状態になり、満足した「感謝」のステージに突入します。そして、また新たな「問題」に直面します。
今ご自身が3つのどのステージにいるか、もしくは問題を先送りしたり、自分の気持ちを誤魔化したりして、どのステージに留まっているのかに気づいたうえで生活することで、人間的に成長しやすいですし、幸福度も向上しやすくなります。
バランス力学整体院で扱う慢性的なカラダの不調は、ご自身では気づいていないストレスを溜め込んでいるケースが多く、「問題」のステージで足踏みされている傾向があります。「症状に不満はあるけど、自分の価値観や考え方は変えたくない(ストレスを溜め込んだままでいい)」といったように、症状という「問題」に向き合えていない状態。そのような傾向が強い人でも、慢性的なカラダの悩みという幸福を感じづらい状態から、症状改善という幸福を感じやすい状態に導くように、サポートさせていただいています。ご本人は変わりたくないのに・・・・・・。その時の私は整体師というより、人をダマす詐欺師ですね(笑)。
そのような私の対応を迷惑に感じられる人もいると思いますが、プログラム終了後に、「半信半疑で実践したら、症状だけでなく日常生活まで改善しました。先生にはまんまとハメられました(笑)」と感謝されることもしばしば。当整体院をキッカケに変化することで喜ばれるのは、嬉しい限りです。今後もバランス力学整体院の価値観に基づいて、皆さまの健康生活をサポートしていきますので、引き続きよろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
池袋バランス力学整体院
院長 山本浩一朗