Vol.5 「落ち込みやすい体質は過度な○○と○○不足」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
夏本番ですね。日本では2019年から毎年、平均気温が0.6℃以上も上昇し、日本に住む多くの人が未経験の暑さを感じていると思います。ただこの変化に対応している人が多いですね。ハンディ扇風機の普及、また50℃を超える国と同じように、風通しがいい素材の袖や丈が長い服を着て、日光が肌に直接当たらないようにすることで、少しでもこの環境に適応しようと工夫されている人も見かけますね。自分ができることをして、環境の変化に対応していきましょう!
さて前回は、『日本人の自己肯定感が低い3つの理由』をお伝えしました。「各調査で日本人の自己肯定感が極端に低い理由がわかって、スッキリしました」、「自分はマジメ人間だと思っていたけど、ココに来てから自分のことばかり考えていたことに気づけて、自分だけに意識が向かなくなりました」・・・・・・など、ご感想ありがとうございます。さらに今回もいろいろとご質問などをいただきました。今回はご質問などに対してお話しした2つの内容を、ここでお伝えさせていただきます。
まず1つめは、「先生が考える幸福って何ですか?」というご質問。何度かお伝えした通り、幸せを言語で表すことは困難です。というのも、幸せは感じるものであって、個人の主観だから。ただ私なりに表現するとすれば、「豊かな満ち足りた意味ある人生を追求することが幸福」と抽象的な例として以前お伝えしました。もちろん、これは私の勝手な意味づけです。
さらに言えば、「自分自身に対する深い洞察 × 自分の価値に対する満足な体験 = 幸せ」だと私は意味づけています。自分は何が得意で、それをどのように自分や他人のために使えるのかを理解し続けることが大切で、自分にとって人生で何が重要なのかを理解し、その価値に沿って行動して満足な体験をしたときに幸福感を感じやすくなるものだと現時点では思っています。そうすることで、人や社会に対して何かしら役に立つことができるかもしれないと。個人的には、幸福を感じやすく生きるためには、「人生の意味」を持つ、そして「ご自身の価値観」を知っておくことが大切だと思っています。
2つめは、「前回のコラムの内容を誰か例を挙げてもらえませんか?」といったご要望。ここでは、皆さまが共通して知っている私を例として挙げます。まず「日本人が世界で一番不安を感じやすい遺伝子を持っている」については、私自身は遺伝子検査をしていないので正確にはわかりませんが、不安の感じやすさは日本人の中では平均より若干少ない方かと思っています。
以前のコラムで紹介しましたが、不安の感じやすさは、遺伝子である程度決まっているといわれています。1996年のヴェルツバーグ大学の発表では、実に98.3%の日本人が不安を感じやすい遺伝子を持っているとのことです。つまり、日本人で不安を感じやすい遺伝子を持たない人は1.7%、100人中2人ほど。以前TVで紹介されたようですが、明石家さんまさんは、68.2%と日本人に一番多い不安を感じやすい遺伝子だけを持つ人。意外ですね。木村拓哉さんは、日本人に30.1%いる不安を感じやすい遺伝子と感じづらい遺伝子を両方持っているとのこと。
次に自尊心の高低に関係する「集団主義的か個人主義的」は、先述した私の幸福の意味づけをみても、日本人に少ないとされる個人主義的な傾向の方が私には高そうですね。加えて私が育った岡山県出身者は、日本の中では個人主義者が多いという調査結果があります。その理由は、日本の中では災害が少ないから。だから周りの人とうまくやっていかなくても、生き残っていけると無意識に思っている人が多いとのこと。前回紹介したように、自尊心が高い人は「どうすれば自分の能力をもっと発揮できるようになるか?」に関心があり、自尊心が低い人は「どうすればもっと他人から好かれるのか?」に関心がある傾向があるようですので、私は自尊心が高い傾向があるといえるでしょう。
さらに、自己肯定感は科学的にわかりづらいので、「自己肯定感≒情緒安定性」と位置付けている研究者もいると前回紹介しましたが、私は以前お伝えした通り、現時点で最も科学的根拠が高い性格分析といわれている「ビッグファイブ」の情緒安定性は高いです。
私のような性質を持つ人は、慢性的なカラダの不調で悩みそうな感じがしませんね。では、なぜそのような状態になったのか? それは、前回お伝えした「自己肯定感の高い日本人がウソをつく傾向がある」の通り、過度にウソをついていたことが原因の1つとして挙げられます。
私は幼い頃から、思ったことは口にするタイプでした。そんな私を頼もしく思って可愛がってくれた大人もいましたが、反対に特に学校の先生から煙たがられる経験を多数してきました。大人の自尊心を傷つけるような発言の仕方をして、本能的に私の存在を脅威に感じさせていたのだと思います。その環境の中で、周りとうまくやっていくために身につけたのは、バカっぽく振舞うこと。ピエロ的な振舞いをすると、同じような発言をしても大人が相手をしてくるように変わってきました。
この成功体験が、社会人になってより強くなったのだと思います。上司を脅かすような存在と思われると業務に支障が出るため、上司に愚者だと思われるように努めていました。営業職でしたので、仕事は成績で示せばいいと。さらにアメリカから輸入された「ポジティブ思考」も実践して、自分に過度に期待をかけて「大丈夫!」と自分にウソをつきまくっていた20代でした。自分にウソをつき続けていると、演技している自分が生まれつき持っている性質だと勘違いするようになっていました。結果的に自分が想像した以上の営業成績を残せましたが、医療では原因不明といわれる慢性的なカラダの不調で悩むことになりました。
その点、日本人に約7割いる不安を感じやすい遺伝子だけを持つさんまさんの考え方は、参考になるかもしれません。私の推測ですが、さんまさんは「情緒安定性」は高いようにみえます。前回お伝えした通り、集団主義的な文化の日本で自尊心が低くても、情緒安定性が高いと他人の評価が低くても、もともと自分はそんなものだと肯定しているので、あまり気にしない傾向があります。実際さんまさんは、「俺は落ち込まない」と断言しています。
また、「落ち込む人は自分のことを過大評価しすぎていているから、うまくいかないと落ち込む」と。さらに、さんまさんは、「人間なんて、今日できたこと、やったことがすべて」と。さんまさんは、寝る間も惜しまず続けられる大好きなこと、つまり能力があるお笑いに集中して、トコトン楽しんでいるようにみえます。そして自分がベストを尽くしたうえでダメだったら、「自分の力はそんなもの」と現実を受け入れているのでしょう。
さんまさんの「自分に期待しない生き方」は、「生きてるだけで丸儲け」という考えから生まれたと勝手に思っています。これは、彼が幼い頃に母親、若い頃に弟さんを亡くされた経験から生まれたものかもしれません。また、さんまさんは、「落ち込みやすい体質とは、感謝の足りない姿勢が原因」ともいわれていますね。「生きている=幸せ」という彼の幸せへの目線の低さが、どんなに小さなことに対しても感謝の気持ちを覚える心の豊かさにつながっているのだと思います。
ただ一人ひとり自分への期待のかけ方は、違うと思います。例えば自尊心と情緒安定性が低い傾向がある人は、期待感がないと生きる気力がなくなっていくかもしれません。今の自分に合った期待値というのがあると思います。その期待値を知るには、やはり自分の特徴を深く知ることが大切だと思います。
また社会に馴染めないと感じている人は、「価値観は1つでない」と意識されるといいでしょう。今の社会は、たまたま自分の苦手なことを求められているだけだと。私の性質は日本にピッタリ合っていないと思いますが、無理ない範囲で合わせることはできていると思います。ただ合わすことがとても苦しかったら、他の場所に移ればいいでしょう。国ではなくても、属しているコミュニティを変えて、自分にある程度合った環境を見つけられればOK。また環境を変えなくても、違う価値観の環境が存在することを知っているだけでもいいと思います。そのためには、「自分にとって大切な価値観は何か」を知って、その価値観を自分が尊重していることが大切です。
しかし自分の特徴を知ろうとは、なかなか思えないもの。その点、慢性的なカラダの不調は、過去の私のように自身のウソや性質を知る絶好の機会でもあります。今後もバランス力学整体院は慢性的なカラダの不調の改善やカラダの状態を通じて、皆さまの特徴を知るヒントをお伝えして、よりよい生活ができるキッカケになれるようにサポートしていきたいと思っていますので、引き続きご協力よろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗