Vol.1 「スマホは健康に悪いのか?」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
年が明けて1ヶ月ほど経ちましたね。1ヶ月が早く感じる人もいれば、遅く感じる人もいるでしょう。ここ数年の時間の経過速度には、自粛的な生活も関係していますね。日々同じことを繰り返していると、脳がその情報に慣れて処理速度が速くなり、時間があっという間に過ぎていると感じるようです。
人生という時間をより有意義に感じるためには、自分にとっての「新鮮」を模索し続けることが大切。新しい趣味を探してみたり、新しい場所に訪れ新しい物に触れてみたりして、新鮮に満ちた日々を過ごすことで充実感を覚えやすいものです。時の経過が早く感じている人やスクリーンの前で座る時間が長い人は、自発的に行動して自身の脳が慣れていない「新鮮」にもっと触れてみましょう!
さて、前回は『SNSにハマる2つの理由』という内容を紹介させていただきました。ほぼ無料で手軽に快楽を得られること、「つながり」のようなものを感じられることを2つの理由として挙げました。
「SNSという麻薬には抗えないですね(笑)」、「他人の完璧な生活をみていると、孤独を感じたり落ち込んだりしますね」など、ご感想ありがとうございます。さらに、「スマホ(スマートフォン)自体が健康に悪影響なのでは?」といったご質問も。今回は、その際にお話した内容をお伝えさせていただきます。
前回お伝えした通り、SNSは脳から快楽物質であるドーパミンが分泌しやすくなるように設計されています。これはSNSにハマる人を増やすことで、広告費など多くの収益を獲得するため。SNS以外でも同じような目的で運営されているアプリは多いです。
例えば、ゲーム。今は課金なく無料で手軽に快楽を得られるゲームをプレイする人が増えているようです。「当たるかもしれない」という期待感で興奮できるゲームや、派手な演出で視覚から興奮できるゲームに多くの人が熱狂しているようです。
なぜそのようなゲームがスマホのアプリにあるのか? 1番の理由は、多くの人がスマホを使う時間が長いから。もう1つは、私たちの目の距離です。PCやTVからもブルーライトは出ていますが、目から離してみることが多いですね。その点スマホは、至近距離でみることが多いです。様々な研究結果の目安として、36cm以上画面から離れてみれば、ブルーライトの影響を受けにくいといわれています。
以前もお伝えしましたが、人間は生まれつき、自然光に反応して睡眠をコントロールするシステムが備わっています。しかし現代では、夜にもブルーライトを浴びるようになり、睡眠に必要なメラトニンの分泌が乱れる人が増えています。そうなると深夜でも昼だと脳が勘違いして覚醒し、その状態でゲーム・SNS・動画・メッセンジャーなどをスマホで使用していると、さらに脳が興奮して入眠が困難になります。ですので、スマホの使用で不眠などの睡眠障害が増えています。
またスマホの使用で集中力が低下しているといわれています。これはスマホに限らず、人間の能力を低下させる「ながら作業」。私たち人間はマルチタスクが苦手です。マルチタスクは集中力を失わせると同時に作業記憶にも悪影響を与えます。複数のことを同時にやることよりも、1つのことに集中していた方が好結果を生みやすいもの。
その点スマホは、「ながら作業」をしやすいツールですね。驚くのはスマホをサイレントモードにしてポケットに入れるなどしても、スマホが近くにあるだけで集中力は低下するという調査結果もあります。スマホが近くにあると気になって、自然とマルチタスクモードに入ってしまい集中力がなくなってしまうようです。
スマホを使いながら何かをすることで、IQ(知能指数)が10年で7も下がるという予測もあります。集中力だけでなく、記憶力・理解力・思考力・情報処理能力・問題解決力なども低下する可能性が高いようです。そのため物忘れやうっかりミスなどが多くなり、イライラしたりキレやすくなったりする傾向があるとのこと。「スマホ認知症」という言葉も生まれていますね。使い方次第で、スマホは睡眠と知能に悪影響が出る可能性が高まります。ひと言でいえば、「脳の不調」です。
以前も紹介しましたが、日本人だけなく東アジア人は協調性が高い傾向がある反面、他律的で依存性も高くなりがち。実際、「ゲーム依存障害」になる若者が多いです。その対策として、中国や韓国では若者のオンラインゲームプレイを禁止する法律を作りました(韓国では法律の有効性が低下し、2022年廃止)。日本は中国や韓国に比べてデジタル化が遅れているからなのか、そこまで問題が顕在化していませんが、これからスマホの使用で問題行動を起こす若者が増えてくる可能性が高いと予測する専門家もいます。知能が発達しやすい時期(一般的に18歳まで)に、快楽に溺れて知能が低下する行動をとれば、様々な判断ができなくなりそうですね。
では心身の健康を保つために、どのようにスマホと付き合っていけばよいのでしょうか? 私たち大人は、まず自己管理で時間制限。前回SNSに関しては、1日最大30分(連続10分まで)に制限すると、問題行動や精神状態が改善した調査結果を紹介しましたが、スマホは1日2時間までなら心身に悪影響は少ないといった調査結果が多いです。それに対して、平均使用時間は倍の約4時間。お酒のように一人ひとり違うのであくまで目安ですが、睡眠や物忘れ・イライラなどに問題を感じている人は、まず1日最大2時間に設定して、使う時間帯を決める。
でも、どうしても設定時間以上に見てしまうという人は、スマホ以外でできることは違うものを使う習慣を身につけるのがオススメ。例えば、スマホで時間をみるだけのつもりが、ついついネットニュースなども閲覧してしまうという人は、時計で時間を確認する。アラームも目覚まし時計に変える。そもそも使うのが面倒くさくなるような場所をスマホの定位置にする。また、各アプリの通知が見えないように設定。さらに設定時間以上使用できないようにすることもできますね。あとはブルーライト対策。就寝の2時間前だとブルーライトの影響が少なくなるといわれています。食事と同じように夜何時以降は使えないように設定する。不眠など睡眠で悩まれている人は、寝室には持ち込まない。「スマホ疲れ」でご相談された人は、このような方法の中でできそうなことを実行して、精神的にラクになったというご報告をいただいています。
バランス力学整体院が扱っている慢性的なカラダの不調も、「脳の不調」が主因。慢性痛にスマホの影響があるといった研究結果も発表されています。ただ前回もお伝えした通り、目的を達成するためのツールとしてスマホを使うことは、SNSやゲームでも健康的にさほど悪影響がないと私は考えています。例えばSNSであれば、SNSがなければつながることができないような尊敬する人と仲良くなれたり、自分が多くの人に役立つと思える情報や考えを拡散できたりすることが挙げられます。
問題は目的なく使用すること。これは前回お伝えした「幸福=気持ちいいこと(快楽)がたくさんあること」と定義して、ストレスを避けようとする風潮が一因だと考えられます。この定義を持つと寂しさや退屈さに耐えられなくなりがち。その気持ちを紛らわすために、暇になればとりあえずスマホを使う。スマホには中毒性が高いアプリが多いので、ついついスマホの使用時間が長くなってしまう。すると同居している家族も含めて人とリアルに接する時間が少なくなって、より孤独感を覚えて、さらにスマホを使って気を紛らわすというループにハマってしましがち。
そうなると自分とじっくり向き合う時間が少なくなって、反対に自分の気持ちをごまかす時間が多くなります。習慣化すると自分がいま何を感じているのかわからなくなったり、原因不明の心身の不調になったりする可能性が高くなります。
今の社会では、「無料」というサービスに取り囲まれています。無料ということで増えることのない大切な時間、つまり自分の命をムダに使ってしまう人が増えているようです。無料・有料に関わらず、知らず知らずのうちに人を中毒にしてしまうサービスが多いので、目的を持って取り組むことが大切な時代だと感じています。
ご存知のように当整体院では、目的を持って症状改善に取り組むことを大切にしています。「ただ症状をなくしたい」は、寂しさをとりあえずスマホで紛らわせているのと似た状態ですが、それが今の時代の主流。そんな中、バランス力学整体院のプログラムを通して目的を持つ重要性に気づかれて、仕事などにも応用されている人も多いのは喜ばしいことです。
さらにご自身の欲求を「価値」に変換する技術を身につけている人もいます。以前にもお伝えしましたが、「欲求は自分が得たい感情。価値は自分が続けていきたい行動」。自分の行動はコントロールできますが、感情や結果についてはコントロールできないのが現実です。価値を持つことで、自分の人生で何を支持するか、継続的にどんな行動をするかを決めることができます。また行動のベースがルールだと不自由さを感じている状態ですが、価値がベースだと自分の心を開き本当に意味のある行動をしている状態なので、自分に自信が持てるようになります。
情報や選択肢が多い現代では、価値を持って生活することは、人生の質を向上するために大切なことです。今後も当整体院では健康のサポートを通じて、皆さまがご自身の心身と向き合うことで、人生の質が向上するキッカケになれるように精進していきます。もちろん、そうなれるかどうかはコンロールできませんが・・・・・・(笑)。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗