Vol.8 「SNSにハマる2つの理由」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
今年も数日で終わりますね。何かやり残したことはありませんか? 不要な物をそのままにしたり、解決できる問題を見ないふりして放置したり・・・・・・。できることがあるようでしたら、後悔なくやりきりましょう!
さて前回は、『自分に正直に生きるために重要なこと』を紹介させていただきました。「自分に正直に生きることと、自分の気持ちに正直になることの違いがよくわかりました」、「体が不調だったときは、『昭和のマジメ』状態で社会に従順だったので、自分にウソをついて苦しく生きていましたが、ココに来るまではそのことに全く気づいていなかったです」など、ご感想ありがとうございます。
また、「たしかに以前SNSにハマっていたときは、心身の状態がよくなかったです。もう少し詳しく知りたいのですが」といったご要望も。今回はその際にお話しした「SNSにハマる2つの理由」をお伝えさせていただきます。
SNSにハマる理由の1つは、ほぼ無料で手軽に快楽を得られるからです。SNSアプリは、私たち人間の脳をハッキングするように作られているので、中毒性は高いです。私たちの脳は「○○が起こるかもしれない」という期待で、快楽物質といわれるドーパミンが分泌して興奮するようにできています。これはサルも同じで、抗うことのできない性質。また確率がランダムになればなるほど、興奮が高まります。
これはギャンブルも同じ。例えば、パチンコでは100%大当たりがくるという確信はありませんし、大当たりもランダムにプログラムされています。さらに予測不能な状態で稀にしか当たらないので、「大当たりがくるかも」という期待感を刺激し続けてくれます。これは人間の脳にはとても快感な体験なので、中毒性が高くなります。
この私たちの脳の性質を熟知した行動科学や脳科学の専門家を雇って、SNSアプリは開発されています。「何か有益な情報があるかもしれない」、「好きなタレントの大事な更新があるかもしれない」、「『いいね』がもらえるかもしれない」・・・・・・など、SNS内では「かもしれない」の宝庫です。SNSにハマった状態はギャンブル依存症と似た状態ですが、ギャンブル以上に期待感を刺激されているといわれています。SNSアプリ会社の元経営陣の中には、「できるだけ長い時間その人の注目を引いておくには、人間の弱いところを突いてドーパミンを注射してあげること」と言っている人もいます。
特に「いいね」機能は、私たちの脳が夢中になりやすく設計されています。不確かな結果に対してより興奮する人間の脳の性質を巧みに操って、「いいね」マークがついても保留することもあるそうです。そうやって刺激を少しずつ分散することで、ユーザーの期待感を最大限にあおられるように最適化しているようです。実際「いいね」機能の開発者の一人は、「製品を開発するときに最善を尽くすのは当然だが、後にそれが思ってもみないような悪影響を与えている。ユーザーの生活を考えるとやり過ぎた機能をつくってしまった」と後悔しているような発言をされています。
もう1つのSNSにハマる理由は、「つながり」を感じられるから。人間のつながりの欲求は、生存本能です。人類は身近な人に殺されていた時代が長かったので、人とのつながりを軽視することは、命の危険だと本能的には感じているのです。このつながりの欲求は、人間の3大欲求より強いといわれています。だから食事を抜いたり睡眠を削ったりしてまで、SNSにのめり込む人がいますね。
さらには昔の「魔女狩り」のように自分の敵を定めて、その敵を社会から抹消しようとSNS内で攻撃することに夢中になる人もいますね。これは、以前お伝えしたバッシングすることで快楽を得る「正義依存」。本人は社会にとって良いことをしていると本気で思い込んでいるので、正義を振りかざし続けるのです。SNS内のバッシングに嫌悪感を抱いていた人が、気がついたら自身が攻撃する立場になっていることもあるようです。
これも私たち人間の生存本能から起こるもので、現代では「自信のなさ」「嫉妬」「満たされない気持ち」から攻撃して相手の評価を下げることで、自分の評価を上げて社会に生き残ろうとしているのです。誰かの評価を下げても自分の評価が上がらないことは論理的にはわかっていても、人間は無意識に生存本能からそのような考えが浮かんでくるものです。もちろんSNSは、私たちの生存本能も計算してつくられています。
ただSNSに限らず、快楽に溺れる生活をすると、ストレスがたまりやすくなってしまいます。その理由は、快楽が過ぎ去った後に必ず苦痛を伴うから。快楽の後から襲ってくる苦痛は、その快楽よりも持続し強烈に感じる傾向があります。強烈な快楽を得ている薬物依存の人を見ると、なんとなく想像できますね。また、そもそも人間は孤独にとても弱い生き物なので、比較的に命が安全な現代でも「つながり」を得たい欲求や、それに伴い「敵」を攻撃して排除したい欲求が潜在的にあるのが自然です。
SNSでは場所を移動したり大金をかけたりしないで、手軽に「ドーパミン」を分泌して気持ちよくなれたり、「つながり」のようなものを感じられたりすることが可能。だからなのかSNSを使うことによる悪影響で、うつ病を患う人が7%、暴力など問題行動を起こす人が11%ほど増えているという調査結果もあります。
お酒と同じで、どれだけ使っても問題がない人もいると思いますが、遺伝子的に興奮しやすく快楽に対する感度が高い人や、日本人に多い生まれつき協調性が高い人は、依存的になる傾向があるので、特に注意が必要です。SNSを使うことで、「嫉妬」「孤独」「不満」「自信のなさ」などの感度が高くなって、自分でも気づかないうちに攻撃的な言動や行動をしていたり、精神的に不安定になっていたりする可能性があります。
では、SNSは使わない方がいいのか? 使い方に気をつければSNSは有効だと私は考えています。実際、SNSを有効に使いこなせている人は、様々な調査で5%前後という結果がでています。有効に使える人の多くは、SNSのメリット・デメリットを理解したうえで目的を持って使っています。SNSの人間への悪影響を熟知している人は、SNSの使用を自分で制限している人が多く、ご自身の子供には使わせません。
反対にSNSのシステムを目的もなく受け身で使っている人は、悪影響を受けやすいようです。特にSNSで投稿やコメントもあまりしないで、他人の投稿を「見るだけ」という人が、最も嫉妬や孤独を感じて自信を失い、精神的につらくなる可能性が高いといわれています。無意識にずっと他者比較しているので・・・・・・。比較することは人間の性質の1つですが、過度な比較は喜びを奪います。
SNSの使用時間に関しては、1日最大30分(連続10分まで)に制限すると精神的につらくなっている人や問題行動を起こしている人がつらさやイライラから解放され、精神状態が改善した調査結果があります。個人差があるので正確な適正時間はわかりませんが、「SNS疲れ」しているけど使いたい人は、最大10分を1日に2~3回に制限するなど、SNSを使う時間を決めて利用してみるのもいいでしょう。私を含めほとんどの人は、世界の天才たちがつくったシステムに抗えることができないので、ある程度SNSの悪影響を知ったうえで、自己管理して付き合うことが大事です。
バランス力学整体院が扱う「慢性的なカラダの不調」の改善も、「なぜ不調が起こるのか」を理解することが重要。ただ慢性的なカラダの不調に関しては、科学的根拠のない様々な情報が飛び交っていますね。そのなかで、自分にとって心地よい情報を受け取りがち。これは、現代の多くの人が「幸福=気持ちいいことがたくさんあること」と定義して、可能な限りストレスを減らそうとする傾向が一因になっています。
現実逃避するために快楽にしがみつき続ける人は、「人生の質を向上したい」のではなく、「目の前の苦しみから逃れたい」のです。快楽を得られることをしていれば、目の前の問題を先延ばしすることができます。ただ苦しみは消えませんし、先送りした問題はどんどん大きくなっていきます。苦痛を消すためには、目の前の苦しみから目を背けないで、しっかり認識していくことが大切。特に社会に対してマジメな人は、自身に不都合な人間の本能や感情を否定しがち。「自分に限ってそんな性質や気持ちはない」と。
その点、慢性的な不調は1つの手がかりになります。自分の気持ちを無視したりごまかしたりしたときや、症状への不安が強くなったときに、不調を感じやすいので・・・・・・。その都度しっかり自分と向き合えば、自分を理解することができ、ストレス耐性も高まります。
当整体院の「痛み改善プログラム」を通して、現実と向き合って受け入れる「受容力」が高まる人が多いのは、本当にありがたいことです。今後も皆さまの生活の質がより向上するキッカケになれるように私は精進し続けますので、2023年も引き続きバランス力学整体院をうまく活用していただければ幸いです。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗