Vol.8 「日本人はなぜ依存的になりやすいのか?」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
12月に入り寒さを感じる日が増えてきましたね。私たち人間、いや生物が生きていくためには、変化する環境に適応することが大切です。2ヶ月前のことですが、台風19号は大きな変化でした。台風19号で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
バランス力学整体院をご利用していただいている皆さまやご家族の方は被害がなかったようですが、台風のことで不安や恐怖心が強くなった人が数名いました。ただ、そのほとんどの人が、当整体院のプログラムを応用して気持ちを落ち着かすことができたようでした。素晴らしいことですね。そして、不安な気持ちが強くなった原因は、皆さま同じでした。「情報の過剰摂取」。
私たちは、健康のために口から入れる「食べ物」には気をつける傾向があります。しかし、目や耳から取り入れる「情報」には無頓着な傾向がありますね。食べ物はカラダ、情報はココロに強く影響します。心と体はひとつ「心身一如」、結果的には心身どちらにも影響が現れてきます。ご自身の健康のためにも情報の付き合い方を見直していきましょう!
さて、前回のコラムで、『あなたの性格を決める2大要素』をお伝えしました。「自分自身をもっと理解したいと思いました」、「自分の性格で都合の悪いところは親の育て方のせいにしていました(笑)」・・・など、今回もたくさんのご感想をいただきました。ありがとうございます! さらに「5つの特徴をもう少し詳しく知りたい!」というご意見が多数ありましたので、今回も現時点で最も信頼度が高いといわれている性格診断「ビッグファイブ」についてお伝えします。
「ビッグファイブ」は、5つの因子の組み合わせで性格は構成されているという学説。5つの因子の強弱が人によって違うため、人の性格に違いが出るのというのがビッグファイブの主張です。その5つの因子の高い人の特徴を簡単に下記にまとめました。
◆情緒安定性が高い人の傾向
気分の浮き沈みが少ない、主観的な幸福度が高い、仕事の満足度が高い、危険察知能力が低い
◆誠実性が高い人の特性
計画性・自己規律性がある、注意深い、忍耐強い、賢明、非衝動的、変化が激しい環境が苦手
◆開放性が高い人の好み
芸術に強い興味、新しいことを試したがる、喜びも悲しみも深く味わう、いつも通りを嫌う
◆外向性が高い人の特徴
短期的記憶力が高い、質より量を優先、報酬が動機で動く、運転好き、刺激が少ない環境が嫌い
◆協調性が高い人の印象
第一印象がいい、優しい、面倒見がいい、献身的、同情的、従順、自己主張が弱い、依存的
それぞれの因子が高いから良い、低いから悪いというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットが存在しています。今回も参考として、皆さまが共通して知っている人である私を例にします(笑)。
私の特性は「情緒安定性」「誠実性」が高く、「開放性」「外向性」が平均的、「協調性」が低め。情緒安定性が高い私は、台風19号直撃時に整体院から自宅へ歩いて帰宅し、ズブ濡れに。まぁ~アホですね(笑)。原因は「過度な情報不足」。危険察知能力の低さなどの特性が手伝ったのか、台風情報をほとんど見ていませんでした。冒頭で「情報の付き合い方を見直していきましょう!」とお伝えしましたが、私のことですね(汗)。この経験を活かして改めていきます。
また、誠実性が高い私は、どんなにちゃらんぽらんに振舞っても自由奔放には見られず、「しっかりした人」に見られがち。さらに、協調性が低めの私がどんなに周りに合わせても、自立的で「我が道を行く人」のような印象を持たれやすいです。遺伝子による生まれ持った特性は、変わらないですね。
ただ、多くの性格診断と違って「ビッグファイブ」のよいところは、性格を「タイプ」ではなく、「尺度」で理解するところです。また、生まれつきの特性は変えられないけど、性格は人間関係や環境などで変えられる部分があることを唱えていることです。多くの性格診断や血液型のように「あなたの性格は○○タイプだ!」と識別された方が、「当たっている」「当たっていない」と楽しめて、一般的にはウケがいいようですが・・・・・・。「ビッグファイブ」は大まかに自分の性格の傾向をつかんで、自己理解を深めていく手がかりにとても有効だと思います。
5つの因子の中で、今の日本の環境では「協調性」の高さを一番求められているといえます。「日本人はマジメ」と言われますが、本来の真面目の意味である「誠実」というより、ルール・マナーを守ったり、常識をわきまえたりして周りに合わせる「協調性」のことが「マジメ」の意味になっていますね。さらに今年の「飛行機内における迷惑マナーに関する国際調査」で、日本人は迷惑と感じても何も行動しない傾向が一番強いという結果でした。さらに直接本人に注意する割合が一番少ないのも日本人でした。無視して我慢するケースが多いようです。
たしかに協調性を高めることは、第一印象がよくなったりします。しかし、必要以上に高くしようとすることは危険です。その危険な面が日本で顕著に現れているのは、「依存」です。依存的な傾向があること自体は問題ではありませんが、協調性を無理に高めようとする風潮は、本人の特性以上に依存的な傾向が強くなる人が増えることにつながっていきます。
実際、バランス力学整体院のような治療業界でも、依存的な関係が多くなっています。先生に依存する患者さんと依存してくれる患者さんに満足する先生との共依存的な関係が一般的になっています。現代の日本社会の環境で、必然的に治療家も協調性が高い先生が増えてきています。
そんな日本の治療業界の中、協調性が低めの私は異色なのかもしれません。「先生っぽくない」とよく言われますし、講演の際に「治療界の異端児」とか「整体界の革命児」と私のことを紹介されることもありましたので、そのような感じに私は見られる傾向があるのでしょう。
前回のコラムの感想で、「先生と付き合うこと自体が、自分のメンタルの安定や自立的になることにつながりますね」と言ってくださった人がいます。また、「先生は今の仕事がピッタリですね!」とも。ご存知の通り、生活習慣を改善する必要があるカラダの悩みを、治療家の先生に治してもらうことはできません。先生の協力のもと2人3脚で改善の道を歩む必要があります。慢性的なカラダの悩みを改善するためには、なるべく精神的に安定されて、自立的に取り組むことが大切になってきます。
さらに「誰と付き合うというのが大切だとわかるけど、なかなか変えられない」という人も。前回もお伝えした通り、自然の流れならともかく、意識的に友人を変えることは難しいケースがあると思います。ただ、簡単に変えられることもあります。それは「情報」です。今まで読んだことのない作家の書籍、今まで視聴していなかった分野のテレビ番組や映画、ネットばかり見ていたけど付き合い方を見直す・・・・・・などなど。
特にスマホはどこでも手軽に見ることができますし、その中でもSNSやゲームは世界の天才たちが作った人間の脳に快楽物質を出したりして人を興奮させる機能が入っています。簡単に入手できる依存性が高い「合法的な麻薬」です。口からではなく、目や耳から入れる麻薬です。中毒的になると、それがないと快感を得られなくなってしまうようです。アルコール同様、上手に付き合っていくことが必要だと思います。逆に本は興奮が少なく、すでに亡くなっている偉人とも簡単に付き合うことができるのでオススメです。
病院で原因不明といわれるカラダの悩みが増えてきた1つの要因は、「間違った情報」です。情報の洪水に飲み込まれ、健康に関する間違った情報を目や耳から取り入れて、知らず知らずのうちにストレスや不安を溜め続けることで、心身に異常が出ています。「情報の過剰摂取」も問題ですが、食べ物と同じように情報も噛み砕くことなくそのまま飲み込むことが習慣化すれば、心身に少しずつ悪影響が現れてきます。情報過多な現代で健康を保つためには、自分の性格特性を理解して、今の自分に必要な情報を意識的に選ぶことがある程度大切だと痛感しています。
皆さまが当整体院での施術で私と時間を共にすること、またこのコラムを読んでいただいて私とお付き合いすることが、より健康で幸福を感じやすい体質になるキッカケになれば、とてもうれしいです。そのような環境を今後も提供してくいために、私自身がさらに成長していく必要を感じています。引き続きお互い協力することができれば、ありがたいです。2020年もよろしくお願いします。
『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗