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Vol.3 「理想と現実がつながった目標設定」

 こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。

 3月から4月は、出会いと別れが多くなる季節ですね。そして先月末、大リーガーのイチロー選手が、プロ野球選手を卒業しました。おそらく今回の日本でのプレーが最後になるだろうと思い、私は試合を観戦してきました。彼の活躍は、言葉で表現できないほど素晴らしかったです。「確かな一歩の積み重ねでしか遠くへは行けない」、以前このコラムでも紹介したイチロー選手の有名な言葉。引退会見でも同様のことを言っていましたね。本人は引退後もトレーニングを続けているようですので、また草野球でもしている姿をみてみたいと勝手に思っています。

 さて、前回のコラムで、自己受容の大切さについてお伝えしました。【自己受容の3ステップ=①気づく+②認める+③許可する】と。「以前は気づいても認めないことに労力を使って苦しんでいました」、「体が不調だったときは、自分に不都合な気持ちを許可できずに、ダメ出しをしていた」・・・・・・などなど。今回も貴重なご感想ありがとうございます!

 また、「現実と向き合うことは大切ですが、以前のコラムで『現実性のある「理想」があると、困難に向き合う勇気や生きる希望が湧いて行動できる』という点を詳しく説明してくれませんか?」というご意見も。確かに現実と向き合うだけだとキツイですね。また、現実性のない理想(妄想)だけだと現実逃避ばかりして苦しくなります。そこで、今回は「現実」と「理想」のバランスについて、ここでシェアします。

 ご指摘があった以前のコラムで、「心から望む目標に気づく方法」をお伝えしました。目標のイメージが湧かない人は、行動をして体験を積み重ねることで、心から望む理想や目標も明確になっていくものだと。その上で2つの心構えも大切です。

 1つ目は完璧主義を手放すこと。パーフェクト主義をできる限り少なくして、現実の中で最善を尽くすベスト主義を身につけることをオススメします。2つの違いをまとめると下記のような感じです。

・完璧主義 = 現実、自分の感情を拒絶する  → 自分を甘やかす ⇒ 欲求不満な人生
・ベスト主義 = 現実、自分の感情を受け入れる → 自分を愛する  ⇒ 活動を楽しむ人生

完璧主義者は現実を否定して、失敗も痛みもない甘い空想の世界に置き換えます。妄想の中で自分をヒーロー・ヒロインにするケースが多いですね。現実を否定しているので常に不安なのですが、その不安な感情も拒否します。そのような不安な感情を抑え込む習慣が続くと、不安な感情が増幅してもっとつらくなります。現実を拒否しているので、いつも欲求不満で喜びや幸せを感じづらくなります

 逆にベスト主義者は、現実に目を向け自分が完璧でないことを受け入れています。そして、失敗や痛み・つらい感情は満ち足りた人生の一部で欠かせない要素だと理解しているので、あまり心配せずに活動を楽しむことができます。また、現実世界の限界と制約を知っているので、達成できる目標を設定する傾向があります。完璧主義者は結果という現実の一部しか見ませんが、ベスト主義者は過程と結果という現実を全体として見ることができます。

 2つ目は、目標の種類。目標には下記のように大きく異なる2つの理論・指向があるといわれています。

・遂行目標:自分の能力を証明することに積極的(例:テストでよい結果を出す)社会的な承認欲求
・習得目標:自分の能力を高めることに積極的(例:失敗から学ぶことを求める)個人的な成長欲求

遂行目標の傾向が強い人は、挑戦を避けます。失敗に対して、あきらめの態度を示します。逆に習得目標の傾向が強い人は、挑戦を求めます。失敗してもその経験から学び、さらなる努力で立ち向かいます。特に学習中の目標・考え方・指向によって、知能は変わります。習得目標を持つ人は、遂行目標を持つ人と比べて、多くを学び自分で考える力が身につくので、より賢くなります。周りの人に自分の能力を証明するのではなく、自身の技術や人間的な成長をしたいといった欲求をベースにした目標であれば、行動しやすくなります

 前述した2つの心構えを考慮したうえで、「現実」と「理想」のバランスがとれた目標があると勇気や希望をもって行動しやすくなります。現実的な目標を立てようとすると、具体的になります。理想が高い目標を立てようとすると、抽象的になります。この2つをミックスしてつながった目標が、「現実」と「理想」のバランスがとれていると思います。

 具体的な目標は、すぐ実行可能なことです。また、具体的な目標は、解釈の自由度が小さいです。だから、「逃げ場がない状態」といえます。先述したイチロー選手は、具体的な目標について次のように語っていました。

「目標って高くし過ぎると絶対にダメ。必死に頑張っても、その目標に届かなければどうなりますか? 諦めたり挫折感を味わうでしょう。それは、目標の設定ミスです。まず自分がクリアできるところに目標を設定して、それをクリアできたら次の目標を立てればいい。目標をクリアするたびに達成感を味わうことで、さらに前向きに考えられるようになっていくんですよ。逆に達成できない目標だったら、追い込まれるばかりで何が楽しいんですか?」と。

イチロー選手は、継続する能力が高いといわれていますが、この現実的な目標設定に対する考え方が継続する秘訣だったともいえますね。

 これに対して抽象的な目標は、長期的で壮大だけど、実行のイメージからは遠く、解釈の自由度が大きいので、達成したかどうかの判断が難しいのが特徴です。抽象度を高めた結果、「世界平和」や「地球環境問題」といった大きなテーマを語る人もいますね。この抽象的な目標も大切です。

 例えば、組織等でトップに立つ人は、抽象的な目標を掲げながら、目の前の具体的な実行も大切にします。ただ、実行すれば失敗はつきもの。それにもかかわらず、具体レベルでいちいち失敗と捉えていては、精神的に負担がかかってパフォーマンスが落ちます。ですので、抽象度の高い目標が最も大切で、具体的な目標は理想を実現する手段の1つにすぎないと考えている人が多いですね。仕事を具体的にしか考えられない人は、手段である具体的な目標を形式的に達成することが目的になり、本来の目的を忘れた状態になりやすいです。そのような本末転倒なことが起こらないために、理念や社訓の共有を徹底する会社も多いですね。

 皆さまが実践した当整体院の具体的なトレーニングメニューは、簡単すぎるといわれるほど多くの人が実行可能なものです。バランス力学整体院で悩みを解決したい人にとっては、まさに「逃げ場がない状態」ですね(笑)。そして抽象的な目標を持つことは、以前もお伝えした通り、そんなに簡単ではありません。ですので、ご自身の喜びをベースにした理想を持てない人は、とにかく行動すること。行動することで変化が起こります。小さな変化を経験することで、自分の欲求がわかって、どんどん自身が望む方向に近づいていきます。

 このような経験を積んだ実行重視の人は、具体的な目標は目的でないことを理解したうえで、あえて「形から入る」ことを選択します。理想論は格好いいけど、結局は実行につながらないことが多いことを知っているからです。意識を変えることは難しいけど、行動を変えることはできます。私たち人間は、行動を変えることで意識が変わるケースが圧倒的に多いのです。

 バランス力学整体院の理想は、人が喜びや幸福を感じる時間が増えること。当整体院のプログラムを通して、痛みを感じやすい体質から喜びを感じやすい体質に改善する人が増えることで、その人の周りも伝染するように喜びを感じやすくなる、そういった輪を広げていきたいと思っています。おかげさまで、「楽しく過ごしている時間が劇的に増えた」、「喜びだけでなく悲しみもしっかり感じられるようになった」といった嬉しいご報告を多数いただいています。

 今後も、私自身がさらに喜びを感じる時間を増やして、皆さまの幸福な時間を少しでも増やすサポートを続けていきたいです。もちろん皆さまがその輪を広げていく義務はありません(笑)。不幸が連鎖するのと同じように、幸福感も勝手に広がっていくものだと私は信じています。

 幸福度が低いと評価されている私たち日本人。私の活動が、多くの人の幸福に感じる時間が増えていくことに、結果的につながっていくことを願っています。皆さまの変わらぬ応援をよろしくお願いします。

 『あなたがいつまでも元気でありますように・・・』

 最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

池袋バランス力学整体院
院長 山本浩一朗
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