Vol.2 「抵抗するものが存在し続ける」
こんにちは! 池袋バランス力学整体院の山本浩一朗です。
新年に入って1ヶ月ほど経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか? 私は10数年ぶりに東京で年末年始を過ごしました。静かで空気も澄んでいる東京を満喫できました。そんな中、ビックニュースが飛び込んできました。12月31日の朝刊で見た方もいましたが、日本整形外科学会などで『腰痛の発症や慢性化は心理的なストレスが関与している場合が大半を占めるとの診療ガイドラインをまとめた』と発表したことです。個々の医師の経験や勘で行っていた腰痛診療を科学的根拠に基づいて行うため、やっと日本でもガイドラインができました。まだまだ私たち日本人の“常識”が変わるには時間がかかると思いますが、画像検査など無駄な治療がなくなる大きなキッカケになりそうですね。
さて、前回のコラムで「ネガティブな感情は無視しないで、しっかり認めて観じてあげることが大切」とお伝えしましたが、思った以上に好評でした。感想をいただいた皆さま、ありがとうございました!特に「わかりやすかった」という意見が多かったです。逆に言えば、今までのコラムがわかりづらかったということかもしれませんね(汗)。まぁ私の文章力が向上したことにしておきましょう(笑)。
それでは、調子に乗って前回の続きです。ネガティブな感情と上手く付き合っている人は幸せを感じやすい体質です。そんな人には「ときには落ち込むこともある」と割りきっている傾向があります。だから、憂鬱や怒りやストレスを感じても怖くないし、慌てません。落ち込みに対して無理にプラス思考などで抵抗したり、言葉で表現してパニックになったりせず、その感情をしっかり静かに受け容れます。そうすることで、落ち込み状態からすんなり抜け出すことができるのです。しっかり対処すれば夕日が沈むのと同じように、やがてまた幸せな気分になれると心底わかっているから、落ち込むことを悪いことだとかたいしたことだとは思っていないのです。
では、なぜそのように思っているのでしょうか? 幸せを感じやすい人には「自分は幸せな人間だ」という一種の思い込みがあるからです。私たち人間は自分の思い込みを証明したい欲求がとても強いです。そして、無意識にその欲求に基づいて行動します。逆に「私は不幸だ」「私には出来ない」と思い込めば、それを証明する行動を無意識にしてしまいます。「ほらね。やっぱりダメだったでしょ!」と、後で辻褄を合わせないといけないので……(笑)。あなたの行動は あなたの「意識」が決定しています。
身体のことも同じです。「自分の体は特別悪い」と信じている人は、その思い込み通り行動してしまいます。そして、自分の体がいかに悪いか証明しようと懸命に努力してしまいます。少し厳しい言い方になるかもしれませんが、病気の方は病気に依存していることが多いです。「病気じゃないと困る」と言う意識が、病気を手放すことに対して無意識に抵抗してしまっているのです。病気から抜け出せない方は自分の思い込みに支配されている場合が多いです。そのような人の多くは「この症状さえなければ……」という思いが強い傾向があります。心理学者で著名なユングは「あなたが抵抗するものが存在し続けます」と言っています。例えば、「腰痛さえなければ……」と思っている人は「腰痛」のことばかり考えていますので、なかなか腰痛の症状を手放せなくなります。さらに抵抗が強い人は、症状が無くなることを恐れている人までいるほどです。
では、なぜネガティブな思い込みを持ってしまうのでしょうか? 多くは「~しなければならない」という考えから作られています。「~しなければ」という義務的な想いは恐れの気持ちが基になっている場合がほとんどです。「健康でなければ」という想いは、病気に対する恐怖感から作られた想いです。しかし、私たちには本来「あるべき姿」はありませんし、「すべき」ことなど何もありません。基本は「やりたいから、やる。」ただそれだけでいいと思います。
ただ、深く考えてみると、ほとんどの選択は自分がそうしたいから選んでいます。厳密には誰かに「させられている」ことはひとつもないと言っても過言ではありません。例えば「今の仕事がイヤ!」と不満を言いながらその仕事を辞めない人は、様々な状況を考慮して続けることを選んでいます。本当に辞めたかったら辞めればいいのに続けているは、何かしらの欲求があるからです。そうしたいという自分の欲求(目的)に気づけば楽です。あとはその欲求に対して、いま何をしたら良いのかを考えて行動することが大切ですね。その上で自分が出来る精一杯の準備をしておけば、いろんな知恵が出てきて、恐れや不満がドンドン減ってくるはずです。もちろん自分の目的を達成するまでには、イヤな感情が出てくることもあるでしょう。湧いてきた感情は恐れたり抵抗したりしないでしっかり感じ尽くしましょう!
「やりたいから、やる。」その習慣が身につけば、精神的に自由になれます。人のせいにしたり自分を責めたりしなくなり、全ての現実を自己責任で受け容れるようになります。「自由を得るためには責任を伴う。」よく聞く言葉ですね。自分の体を自由にするのも、自分の体に責任が取れるのも、自分自身でしかないのです。ですので、私がどんなに努力しても他人の体をコントロールできません。私は皆さまのお手伝いさんにしかなれないのです(笑)。
本年も皆さまの健幸のお手伝いさんとして精一杯お手伝いさせていただきますので、変わらぬ応援よろしくお願いします。
『あなたが最期まで元気でありますように・・・』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
院長 山本浩一朗